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The Day After 30

「ほんじゃ、ま、とりあえずお疲れさん、かんぱ~い」

「「「「かんぱ~い。」」」」

武也が放ったてきと~な乾杯の合図に
みんなてきと~に乗っかって乾杯をした
このメンバーだと乾杯の音頭をとる際の言葉にさえ色々と考えねばならないし
春希にまたやらせるのもどうかと思った武也は
波風立つ前にさっさと済ませてしまう
どうせ、次第にみんなの口は重くなっていくのは分かりきっていることだから
せめて最初くらいは軽くいきたかった

「いや~、ツマミも存分にあるうえに、できたてってのがいいね。」

「料理できる人が揃ってますからね。基本的にわたしとせっちゃんがいればそこら辺は完璧ですよ。」

「確かに、俺が手伝ったのは些事だし、その通りだな。」

夕飯時と違って、今度は料理できる三人組が
協力して腕を振るったため
なにやら夕飯のときよりよほど豪華な感じのある現在の食卓の上

「武也みたいに、食べるだけのやつは気楽でいいね。」

そして、本日、一度も料理をしていない武也のお気楽なセリフに、依緒はいわずにいられない

「まぁな。」

それに悪びれなく返す武也も武也

そして、もう一人、色々と打ちのめされた挙句
先ほどから、春希が雪菜たちとキッチンにたったために
割と放置されていたかずさは
かなりむくれている様子
始まってから、春希の隣を独占しつつ
不機嫌オーラがもれ出ている
いちよう、他の人もいるから、かろうじて自制しているものの
そのダムはどうも決壊気味らしい
それを察している春希はかずさをかまいつ
場に溶け込ませようと努力している

「ほら、かずさも食べてみろって。」

「・・・ふん。」

「お~い。いちよう、俺も作ってるんだから。」

しかしあまり効果がないよう

「かずさ、ほら食べて。それで、覚えてね。」

それを見かねた雪菜が春希の言葉にのっかり
かずさへの圧力を強めると同時に
先ほどの料理の件とからめて、わざと攻勢をかける
これなら、無視できないからだ

「・・・分かったよ。」

そうで言われては仕方なく
しぶしぶかずさも飲み物だけでなく食べ物も口にする
ただ、感想を取り立てて言うことはしない
どうせ、戦う前から勝敗は決しているから

「ほんと、素直じゃないんだから。」

そんなかずさの姿をみて
変わらないかずさがいるから
雪菜はそうもらす

そう、素直じゃないあの頃のかずさがそこにいる気がして。

「せっちゃんだって、素直とは言いがたいんじゃ?」

「え?そう?かずさに比べたら全然そんなことないはずだよ。」

「え~と、時と場合によりけり?」

「まぁ、雪菜ちゃんが素直ってのをどう捉えているか次第だろうな。」

「ちょっと、みんなして何それ。誰もフォローしくれないの?」

「よく言う。雪菜が素直ならあたしだって素直って括りになるだろ。」

周りから言われている雪菜を横目に
先ほどからダンマリだったかずさが
呆れとともに黙っていられなくて
口を開くくと同時にまっすぐに雪菜に言う
それを聞いた雪菜は、かずさが自分に対峙したことを察して

「私、かずさみたいに何ヶ月も隣の部屋でわざわざピアノ弾いたりしないよ?」

大上段から思いっきり刃を振り下ろした

「あたしだってわざわざ変装してバイトなんかしない。」

だが、かずさは打ちのめされることなく返した

その一言に雪菜はやっぱりと思う
かつてのかずさならこれでやり込めることができたはずだけど
今のかずさはこんなことではひるまない
遠慮なく言ってくる

(でも、それもそうだよね。だって隣に春希くんがいて、春希くんはもう全部知ってるんだから。)

「それって、素直と関係あるの?」

「見栄っ張りだってことだろ?」

「それはしょうがないよ。好きでそうなったんじゃないんだから。」

「それはあたしだってそうだ。好きでヒネてた訳じゃない。」

2人が始めた舌戦に後の四人は当然、見学
ただ、四人とも気になっていたことがあり
お互いにアイコンタクト
とりあえず、春希に口火を切らせようとしたが
自分だけじゃ無理と春希は周囲を巻き込もうとする
それに仕方無しに四人揃って口を開く

「素直とかどうとかから既にずれてないか、それ。」

「2人とも附属時代にそんなことしてたんですか?」

「2人とも掘り返すと色々あんだろうけど、俺たちに分かるネタにしてくれ。ついでに春希が悶絶するやつならなおよし。」

「それはよくねぇ!」

「というか、お2人さんはそれをここで暴露して平気なの?」

「「・・・・・・・。」」

最後の依緒の一言に2人ともなんともいえない表情になる
ここまでなら大したものはないが
こっから掘り下げていけば
どこまでも深くなりやがては危険域にいくのは必然である

それと、こっそり武也が危険球を放ったので
春希はしっかり突っ込みをいれておく
冗談抜きにこの2人だと春希にとっては致命傷を何度も与えることが可能なのは言うまでもない

「そういう変なところ、似てますよね、2人って。」

「変なところはないんじゃないかなぁ。」

「あたしは雪菜ほど、変じゃない。」

「あ、かずさには言われたくないよ。」

「折角の仲裁をおしゃかにしやがった。」

「今のは柳原が悪いんじゃ?」

「え~、でも皆さんだってそう思ったんじゃないですか?」

「「「ノーコメントで。」」」

朋の発した言葉に、武也、依緒、春希が綺麗な答えを返し
それを聞いた雪菜は驚きの質問をする

「ね。春希くん。春希くんはどっちが変だと思う?」

「え゛?」

とてつもないものに春希は何の返答もできなかった
出たのはせいぜい、言葉のような音のような何か
だって、これはある意味究極の選択
かずさと答えれば当然かずさはさらに機嫌を悪化させる
かといって雪菜と答えるのは難しすぎる
たとえ他愛無い選択肢どころこか、どっちがより変なんていう選択肢なのに
それでも雪菜を選ぶってことの意味を
何も考えずに済むことはない
どっちを答えても、何ひとつ春希の足しにならない状況

それを作り出した雪菜はある意味、すごくて
そして分かっている
春希とかずさをよく分かっているからこそ
こんな風に、2人を翻弄できる
2人の世界に入っていけるのだ

「どっちもってことじゃね?」

そしてこういう時のフォロー役も変わらない

「それはいえてるね。2人とも、普通じゃないしね。」

「ついでに、依緒、お前もな。」

「あんたはつまんない大人になっちゃったみたいだけどね。」

「・・・余計なお世話だ。」

「あの、飯塚さんも、水沢さんも、フォローするなら最後までそれを維持してくださいよ。大抵、脱線しますよね。」

「それが武也と依緒だから、だろうなぁ。」

そんな春希のポツリともらした言葉は
感慨が詰まっているもので
これまで二人の関係の変化を何度か感じてしまった春希にとって
こうした二人の遠慮なく
お互いを貶し合ってそれでもこうして
二人で並んで座っている光景をみて
そうしたら、やっぱり懐かしくて
だから、ついつい口を挟んでしまった

「そもそも素直じゃないのはかずさと雪菜のどっちがっていうより、そこの二人だと思うし。」

「「それは確かに。」」

「?」

ついでに言った春希のセリフに思わず同意する雪菜と朋
付き合いの長い二人にはそれは全くもってその通りと思える
かずさだけは、話だけは知っていても、実感が伴わないのもあり
そんなものか?という疑問

思わず矛先が自分達に向いた二人は居心地悪そうにしている

「つまり皆さん、素直じゃないんですね。素直なのはわたしだけじゃないですか。」

大学時代の裏側を良く知らない、かずさは言うに及ばず春希と雪菜は
欲望に素直で行動も思ったままにというのが多い朋なので
同意する雰囲気であるが

「そうか?」

「少なくともあの光景見ちゃうと、とてもそうとは思えないんだけど。」

裏側を知る武也と依緒は同意しかねるのだ

「うっ、まあ、そんなこともありましたね・・・。」

そして、朋もあれを知られている武也と依緒には
言い返しようがないので納得しざるをえなかったりする。

「つまりは揃いも揃って素直じゃない変人の集まりってことかよ、ヤレヤレ。」

「いや、武也にだけは言われたくない、本気で。」

「あたしも同感だ。」

「飯塚さんだってそうとうなものだと思うんですけど。」

「それならみんな、仲良しってことだね。」

素直じゃないなんてことを競い合うなんていう会話を
雪菜がまとめるように言った
それに関して、誰もがその結論はどうなんだろうと思うけど
それを否定できない気もするし
この流れを誰もが止めたいと思うから
だから、まぁ、それでいいかとする

だが、次の話題がなかった

なかったというより、話題の選別が難しすぎるのだ
近況だって気軽に聞けるものじゃないし
身の上話だって簡単にはできない
馬鹿話するのも難しく
どんな話題だって、みんなが気軽に
何も気にせず言えることがなくて
だから、悩んでしまう

そんな沈黙が訪れて
長引けば長引くほど
それを打ち破るのが難しくなる

だから、春希は、とりあえず口を開いた

「そういえば、寝る部屋どうするんだ?」

布団の用意くらいしてあるけど
それ以上何もしていない春希としては
繋ぎの話題ではあるけど
確認しておきたかった
しかし、その発言に対して雪菜がとんでもないことを言い出した

「それなら、四人の布団並べて欲しいかな」

「四人?」

「・・・あたしも、ってことか?」

春希とかずさはすぐに意味に気づいた
まさか、武也や春希が入るわけがない
だから、かずさでしかありえない
しかし、まだ2人では無理だから
四人を提案したのだ

「そう、かずさも。私とかずさと依緒と朋の四人で。どうかな?」

「どうかって言われても・・・。」

「依緒と朋は?」

「え?あたし?・・・そう言われても。」

「わたしはどっちでもいいですよ。」

朋としてはかずさと仲良くしたいとは思わないし
過去の所業を忘れたわけではないが
ただ、雪菜がそれを望むなら
自分では果たせないものがあることを理解しているのもあって
拒否する気はない

依緒としては非常に居心地悪い気がする
2人で寝ればいいのでは、と思わないでもない
その選択肢は、過去を想起させるがために
現状では有り得ないものだが
それを知らないがための考え
だけど、その案を口にできないのは確か
2人の間がまだ難しいのは理解している
だけど、四人ってのも、と思ってしまう
なので保留というか逃げというのが回答

「かずさとしては?だめ?」

「・・・雪菜はそれでいいのか?」

そしてかずさは明らかに
かつてとは違う姿を見せ付けた
春希にも、雪菜にも、だ

それを眩しそうにする雪菜
でも、怯むことはない
覚悟は あの時している

「もちろん。だったらいいんだよね?」

「・・・ああ、分かった。」

「ごめんね依緒、でもいいよね?」

かずさの前だけど、謝罪の言葉を敢えていれて
依緒にも理解を求める

「・・・ん、分かったよ。」

歯切れ悪く了承する依緒
こうなっては雪菜の意見を覆せないことは
依緒は百も承知でだから諦めるしかない

それに実は、雪菜としては四人ということにも意味はある

単にかずさと2人だけが辛いからだけでなく
依緒と朋に見せたいのだ
自分が変わっていってること
同時に依緒に知って欲しい
変わるっていうことを。
かつての依緒へ言った言葉の意味を
目の前にある現実から感じて欲しいと願っているからだ

だから、辛くないわけないけど
それでもかずさも一緒なのを選んだのだ

そして、それにのっかったかずさもそきついのは同じ
でも、ここで生きていくために
必要なことであるし
いつかは通ることなら
それがたまたま今日やってきただけだから
了承したのだ

そんなかずさと雪菜の決意を
肌で感じている春希は静かに2人の決断を受け入れた

そうやって延長戦が決定したため逆に飲み会の空気は軽くなり
ようやく飲み会らしい雰囲気になる


それはかつての空気に近くて
まだ、おのおのがそれを感じるほどの余裕はないけれども
確かに、少しずつ変わっていってるのだった



~~~~~~~~~~~~~~~~~~
30話になります。
飲み会といいつつ、このメンバーだとあまりそういう雰囲気にならないんですよね。
重たい感があるもので。

で、お泊りなら四人でというのは最初からありました
朋はどっちでもよかったんですが(笑)
でも、第三者が一人いると構成の際には楽かもですが。

なので次は当然、四人での会話になります。
恐らく時間がとてもかかるので、そこはご了承くださいませ。

あと、多分また見返した際に修正が入るかと思います。
公開する前に推敲すればいい話なんですけどね(苦笑)

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非公開コメント

1日で30まで全部読んでしまいました!面白いです!

最後どう終わるのか楽しみです!

ご覧いただき、ありがとうございます。

一日で全部というのにとても驚きですが、ご覧いただき、ありがとうございます。

書いてる側は一話一話なので、どうしても通して読むということをしない分、色々と粗がありそうで怖いところです。
そういったのがあれば、是非、教えていただければと思います。

更新がなかなか進まないですが、これからもご覧いただければ幸いです。

プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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