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リクエストSS~最期の頼み~

「ねぇ、かずさ。・・・最期の頼みがあるんだけど。」

「縁起でもない言い方するな。それにどうせろくでもない内容だろ?」

「違うわよ。真面目な話。」

「容態が悪くなったわけでもないのにどうした?」

「今は悪くないけど、何かあったらあっという間なのよ?」

「あんたは往生際が悪いから、大丈夫だ。」

「・・・ちょっとかずさ、私の話、聞いてくれないの?」

「日頃、あたしの話を聞かないあんたがよく言う。」

「・・・あなたねぇ。」

「で、なんだ?どうせくだらない事だろうが、言ってみろ。」

「失礼ね、真剣な話よ?」

「ほう、それで?」

「思ったのよ、人生振り返ってみ。、色々あったけど、やっぱり最期も独り身っていうのは、辛いかなぁって。」

「・・・・・・。」

「何よ、そのうわぁって顔は。」

「・・・うわぁ。」

「その反応、ムカツクわね。」

「いや、だって、なぁ?二度も失敗しておいて懲りてないのにも驚きだが、この期に及んでそんなこと考えてるとは思わなかった。」

「この期だからこそよ。最期くらい独りってのも、ね?」

「で、相手は?昔の男か?新しいヒモか?」

「私のこと、どう見てるかよく分かるセリフね。」

「いや、だって。あんただし。」

「どっちでもないわよ。それにそうなら最初からあなたに頼むことないじゃない。」

「いや、あるだろそこは。」

「理解とかくらいでしょ?そうじゃなくて、頼みがあるのよ、真剣に。」

「・・・何だよ?」

「春希くん、貸してくれない?」

「はぁ!?」


最期の頼み


「それ、どういう意味だ?」

「そのままの意味よ。」

「今だって似たようなものだろ。これ以上、なにが望みなんだよ。」

「そりゃ、今だって孝行息子よ。でも、私の望みは、最期を看取ってくれる愛する人ってこと。それに彼はうってつけなのよ。だから借りたいの。ちゃんと最期は返すから。」

「本気で言ってんのか?」

「割と本気よ。今は、あなたの為に、1日十数時間を使ってるけど、その中から私の為だけに1~2時間使ってほしい、それだけ。」

「・・・。」

「息子としてじゃないわ、愛する人として、愛してくれる人として。」

「それなら、どっかの若い奴にでも頼め。」

「嫌よ、そんな上っ面だけの相手なんて。普段ならそれでもいいけどさぁ。」

「春希なら、本気で愛してくれるとでも思ってんのか?」

「そこまでは思ってないわよ。でも、家族としてくらいは愛してくれるでしょ。」

「だから春希を貸せと?」

「そう。どう?」

「春希がそれを承諾すると思ってるのか?」

「あなたがうんと言えば、彼は反対しないわ。言質はとったわよ。」

「な!?春希がか!?」

「そ、だから後はあなた次第。」

「・・・逆に聞くけど、あたしがそれを許容するとでも思ってるのか?」

「さぁ?だから、聞いてるんだけど。」

「本気であんたがそんな与太話を望んだとして、あたしが、それを許容するなんて、本気で思ってんのか!?」

「少し落ち着きなさいな。」

「別に落ち着いてる。ただあんたがそんなことも分からないのが意外だ。あたしがそんなことを許すはすがないだろ。」

「言ってみなきゃ分からないじゃない?」

「分かりきってるはずだ。」

「借りるだけよ?」

「貸すとでも思ってるのか?あたしが、だぞ。」

「あら、それはどうかしらね。時と場合と相手によって答えは変わる可能性がある、そうでしょ?」

「・・・どうだろうな。だが、少なくともあんた相手にそんな選択肢は存在しない。」

「・・・そう、駄目なのね。」

「・・・母さんはあたしの想い、知ってるくせに。」

「そりゃね。」

「それに、あたしがしたことを唯一、認めてくれてたと思ってたのに!」

「春希くんを奪っていなくなったことかしら?」

「分かってるじゃないか!」

「それで?」

「だから、あんたがそう言うならあたしはもう一度同じ事をするだけだ。あたしは、あんたを・・・。」

最後まで言い終える前に
春希がリビングにやってきて
それがかずさのセリフを中断させた

「妙な雰囲気で、2人ともどうしたんです?」

「ああ、春希くん。何でもないわ。」

「・・・春希、行くぞ。」

「え?かずさ?いきなりどうした?」

「あたしたちはここにはいられない。だから、行くぞ、春希。」

「いや、待て待て。話が全く分からん。」

「だって春希はあたしの答え次第なんだろ?だから、行くぞ。春希も付いて来て、くれるんだよな?」

「どこへ?」

「決まってる、ウィーンだ。」

「急に何で?」

「だって母さんが・・・。」

「ああ、それか。・・・かずさ、大変言いにくいんだが。」

「お前、まさか!?春希、駄目だ、それは駄目だ!なぁ、春希、あたしだけを・・・」

「違う。そうじゃなくて、新聞見てみ。」

「・・・?何か変な記事でもあったのか!?」

「いいから、見てくれ。」

「うん・・・。」

「それでだ、その一面のだな。」

「・・・でも、別に変わった記事はないぞ。」

「一番上を見てくれ。」

「一番上?日付があるだけで他は、・・・あ。」

「そういうことだ。」

「・・・・・・。」

「ちょっと、春希くん、ネタ晴らし、早くない?」

「嫌ですよ、俺。意味もなく、旅立つ準備するのも、泣いてるかずさを慰めるのも、親不孝なことをもう一度をさせるのも言わせるのも。」

「あ~あ、本当にかずさに甘いわねぇ。」

「何をいまさら。そんなことは負けず劣らずのお母さんだってご存知じゃないですか。」

「それでも、もうちょっとさぁ。ここから面白くなるのに~。」

「・・・ははは。」

「って、かずさ、その壊れた感じの笑いが怖いんだが。」

「ははははは・・・!」

「あら、かずさがとうとう壊れたわね。元々おかしかったけど。」

「春希、電話だ。」

「・・・はあ?誰に?」

「風岡でもいいし、杉浦でもいい。マスコミ関係者なら誰でもかまわない。」

「とてつもなく嫌な予感がするが、何の為にかけるつもりだ?」

「決まってるだろ。そこの冬馬曜子とかいうやつの過去を洗いざらぶちまけるためだ!」

「だと思ったよ!だけど、待てって。第一、そんなことしたら泥沼だろ。」

「何でだよ!?」

「お母さんだってお前の恥ずかしいネタを山ほど知ってるんだから、待てって。」

「え~い、知るかそんなもん!今日という今日は我慢ならん!」

「いや、でも、なにがどうなろうと俺のやることと負担が増えるだけになるんだから、勘弁してくれ~。」

「というか、春希。お前も片棒担いだんだよな!?」

「え”!?・・・いや、その、な?」

「ふふふ・・・、春希、今夜は寝かせてやらないからな。」

「言ってる言葉とセリフの意味の落差がすごいよな、それ!?」

「後悔させてやる。」

「・・・やれやれ、2人とも仲良しねぇ。」

「お母さん、ノンキなこと言ってないで、フォローしてくださいよ!」

「元凶が何をノンビリしてるんだ!?」

「春ねぇ~。」




というわけで、前にリクエストでエイプリルフールネタがあったので
そのリクエストに遅ればせながらお答えしました。

そして、曜子がこんなことを言い出したのは
単にエイプリルフールだから、だけではないのがあります。
そんな裏側があるお話でした。

本編更新、遅くてすみません。

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プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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