The Day After 35

「さて、どうなるかな・・・?」

「雑誌の出来か?それとも・・・。」

「全部、かな。」

「だよな・・・。」

「これで何もかもバレちまったからなぁ。」

その春希の言葉に黙って寄り添うかずさ
これから何度だってあることで
もう何度も通った道だから
静かに春希の言葉だけをきく

「次からどうするかなぁ」

開旺社との付き合いはこれからも続くことになるだろうし
ばれた以上、今度からは相手は小春と麻理だけではなくなる
つまり、いずれかは彼らと再会することになる
その時のことを考えてしまい、こぼすのだ
少なくとも、既に、自分が辞めた理由は分かっただろうから
それになんて思うか
どんな影響があるだろうか
考えても意味はないのだが
考えてしまうのが春希

そんな春希に何かを言うこともなく、そばにいるかずさは
春希の体温を感じるために
変わらずくっ付いたまま

「なぁ、かずさ。」

「離れないからな。」

「そのためにクーラーつけるのは勿体無い気がするんだが。」

いずれ来る再会にあれこれ思い悩んでしまう春希は
沈みゆくのを止めるために
なんとか無理やりで
ひとまず脱線することにした
そうなると気になるのは無駄についているクーラーだけ
かずさがこうしてるのは日常風景

「そろそろ夏か。」

「夏、だな。」

そんな、2人にとって夏は意味のある、特別な季節だった
だって2人だけの季節だったから。
だが、今年の夏は2人だけではいられない、騒がしいものになるだろう
だから、これまでのウィーンにいた時とは違って
2人で色々なものにぶつかり乗り越えていかねばならない
そんな予感はしている
そのためにいつもなら無駄を嫌う春希も
今は一言だけで、後はかずさのすきにさせている
勿論、これからまた仕事も忙しくなるし
かずさだって少しずつコンサートに仕上げるためにピアノに集中するようになる
だから、2人の時間は当然減るため
今はこうしていたいのは春希も同じ
あの夏の日のように
2人の時間を過ごしていたい

それでも一言は言うのが春希でもあるが。

「先のこと考える暇があるなら、もっとあたしに集中しておけ。」

「・・・はいよ。」

先を考えるということか常にいい影響をもたらすとも限らないわけで
分からぬことの推測ばかり並べてもどうにもならない

心配性で苦労性の春希を夫にもつかずさは
そんな旦那を救いにかかる
浮上させる
これもまたいつものこと

何も変わりはしない

「そもそも、お前が心配すべきは、高校時代にちょっとやらかしちゃった痛い姿を映像で見られたかもしれないことくらいだろ?」

「心配するところ、全然違うからな!?」

「違うのか?」

「違うだろ!」

「いや、でも、なぁ。春希の普段しか知らないなら、特に仕事してるときの春希しか知らないとあれは色々と衝撃だと思うぞ、恥さらしの点で。」

「そこまでさらしてないよな!?ないよな・・・?」

「でもお前、あれを自分の目で確かめたことないだろ?」

「そりゃないけども・・・。」

「だったらどんだけ痛い姿か知らないだろ?」

「痛い痛い言うな!・・・写真で既にそうなんだから。」

「なんだ、分かってるじゃないか。」

「頼むから、これ以上抉らないでくれ。どうせ気をそらせてくれるなら、もう少しマシな方法で頼む・・・。」

「なんだ、分かってたのか。」

「分からないはずないだろ?」

「だったら、本当はあたしがあの時のお前をどう思ってるかも分かってるだろ?」

「・・・痛いとも思ってるだろ?」

「あはは。ないとはいわないがな。でも、この時のお前を否定する奴なんかいないさ。そんなやつがいたらあたしが殴ってやるよ。」

「そ、そうか?」

「ああ、お前らしくないかもしれない。でも、いいじゃないか。あのときのお前はカッコよかったぞ。少なくとも、お前をよく知るやつにとっては、な。」

かずさには確信がある
この映像の春希をみた時、春希を大して知らなければ、痛い奴と思うかもしれない
でも、春希をよく知る奴がみればわかるはずだ
この時の春希がいかに特別で、カッコいいのか

この時の春希がいかに輝いてたかを。

「だから、お前は胸はっておけ。」

そして、別のところからこうして励まし
春希に前を向かせる

これができるのが 北原かずさ なのだ
冬馬かずさじゃなくなった かずさができるようになったこと

同時に、この映像を見返すことの難しさを理解している2人に
一つの決意をさせることにもなった

あの時、3人をもう一度繰り返した

だからこそ、向き合う必要がある

その一つにあるのが、これなのかもしれない と。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回、短いのは理由がありまして、別にいれなくてもいいシーンだからです
ただ、35.5をいれる必要があったために作ったものですので。

とはいえまったく必要ないかというとそうでもないですが。
七年前の映像と向き合うこともまた一つの試練ではと思いますので。

ちなみに、開旺社のメンバーとの再会は、多分まだ先ですので、あしからず。

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読後の感想

ブログ主様はなくてもいい話と最後に書かれていましたが、個人的には、春希とかずさの二人だけの話は大好物ですので、これからもお願いします。
アニメの影響からかPCゲームの方が再び売れているという記事を見ました。アニメで初めて作品に触れた人は、やはりこの後の展開とPCゲームだけのシーンが気になるのだと思います。私も久しぶりにICをプレイしてみました。アニメ#3にもあった様にゲームのこのセリフはアニメにもまんま使って欲しいと思う所がいくつもありました。
最後に以前のコメント欄に作画の乱れ云々について書きましたが、PS3のゲームのOPのかずさの目がアニメ本編に比べて小さく描かれていると思いました。個人的にはゲームのOPの方がバランスがとれているように思います。
長文なコメント失礼致しました。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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