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窓の外は吹雪いているこの日

雪が舞うようにパラパラと降り
そのまま空に溶けていくような雪の降り方でも
それは、あの決断を迫られた時を思い浮かべるから

雪が積もり、あたりを白く染めるような神秘的な景色でも
最後の決断のために街を歩いたあの日と
ここではない北の雪国を思い浮かべるため

やはり

だから、雪は特別で

辛いんだ・・・

そんな春希を理解しているかずさは
春希を、身を震わせるご主人様を
背中から抱きしめて
自分の胸の中におさめ
その全てを守りながら独占する

そして、先ほどまでは、空に舞う程度だった雪は
いつの間にか、大雪となり
東京でさえも、あたり一面に雪が積もって真っ白な世界となり
まるで、ここが雪国のようになっている

あの日の雪国のように

だから、例え世界がこんにも静かで
ストーブの音しかしなくても
暖房の音しかしなくても
2人にとってはあの日に聞いた音たちが、何故か聞こえてきてしまいそうで
だから、かずさは春希に寄り添いながら、寄り添ってもらっている

互いしかいないことを確認し合ってる

「雪、止まないな。」

かずさの声が静かな部屋に静かに響く

「ほんと、よく降るよ、まるで外は雪国だ。」

春希はそれに応えた
思ったことをそのまま伝えた

「やっぱり思い出すか。」

「当たり前だよ。」

「そうだよな、あたしもそうなんだから。」

雪は春希の中でそれを必ず想起させる
単なる辛さじゃない
複雑な想いの苦悩と決断の辛さと過去と枷のすべてが
その白さに溶けている

「・・・でもさ、思い出すのは何も雪菜のことだけじゃないないんだ。」

そんな春希はウィーンでも何度も雪に苦しんだ
けれども、1つだけ違いあることに気づいた
気づいてしまった
雪が思い出させるものが他にあることを・・・

「・・・この雪見をここで見てるとさ、あの日、かずさがどんな想いで、あんな会話してたかもさ、思い出すんだよ。」

「・・・あんな昔のこと、よく覚えているな、春希は。」

そう、北国での会話の意味とその裏側にあるものを
お互いに想いを隠したまましていた会話
今なら、お互いに分かってしまう

「そういうお前だって、そうだろ?」

「そりゃな。あたしが春希のことで忘れたことなんて多分ないぞ。痛い女だからな。」

思い出せば苦しくて切なくて痛みを思い出して
でも救われることもある
こうして、ここでもう一度雪を見てることが
あの日から置いてきたものの答え

だから、春希を胸の中で抱えながら、そんなことを言うかずさに
春希は苦笑しつつ、慰められる

「吹雪いてるな、まさか、東京でこんな光景をお目にかかるとは、思わなかったよ。」

でも、それを正面から伝えるには、今は、この風景の中では難しいから
話を逸らして答える

「なんだか他所にいるような気もするよな。」

「・・・東京に、戻ってきたっていうのにな。」

だが、本当に話が逸れることはない
目の前にある雪景色から目を背けたとしても
雪がなくなるわけではない
過去が消える訳じゃない
傷がなくなるわけじゃない

「いっそのこと、今度は雪国に行くか?」

「・・・それもいいかもな。」

そして、いつかの話をする
それがいつになるかは分からない
そんな日がくるかすらも
でも、話題くらいにはできるようになった
それが東京で過ごした時間の積み重ね

「雪だるま、作れそうだな。」

「寒がりのお前がそんなことするとは思えないけどな。」

声が震えることなく話せるようになったのだって
他愛ない、普通の話題をできるのだって
やはり、そのおかげ

「まぁ、作り方も知らないからな、あたし。」

「そんなに難しくもないぞ。バケツにでも雪いれて原型つくるか、雪玉でもつくったら後は転がすだけでいいからな。勝手に雪がくっついて大きくなっていく。」

「意外と簡単なんだな。」

「ああ。雪さえ積もれば簡単なものだよ。」

「なら、今日は久しぶりに雪だるまが作れるわけだ。」

「言っておくけど、寒いからやりたくないからな。」

「年寄りめ。」

「なら、お前が作りに行けばいいだろ。」

「1人でなんて、寒い中、誰がやるか。」

「なら、人にやらせようとしないでくれ。」

なんとかいつもの調子で会話をしているが
声に力はなく、装ってるだけなのがよく分かる
それでもなんとかいつものように振る舞う
雪の重みに押しつぶされないように踏ん張っている

近年まれにみる大雪とニュースが語る様は
まるで世界があの日の罪を思い出せと言っているようで
東京なのに東京じゃない雪景色は、吹雪く景色は
過去を暴くよう・・・

でも、2人にとっての救いは
ここはかつてのかずさの家で
2人は夫婦で
今は2人だけの世界

だから、凍えてしまうことはなく
互いの温もりを胸に
外の雪景色を眺めながら
今日も生きている


~~~~~~~~~~~~~~~~
ということで、雪が降ったら毎年書いてる上に
内容もだいたい毎年同じな気もしますネタです
昨日から今日にかけて作り上げたものですので、別にも作り途中はありますが
まずはこの時節ネタをあげることにしました。

外の吹雪を見ながら2人は・・・という作品ですね

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非公開コメント

おそらく皆同じ事を...

昨日から今日にかけてのこの天候で、WA2のファンは殆どの人達がホワイトアルバムの季節という事を思ったのではないでしょうか?私もその一人です。とはいえ雪の量はロマンチックのレベルをはるかに越えてしまいましたが。今回のお話の感想ですが、やはり春希とかずさにとっては雪を見る度に古傷が痛む様にかつての事を思い出してしまうのはもう一生無くならない事なのでしょうでも、時がたつに連れてそのことをあまり深刻に考え過ぎる様に成らなくなって行く事を願って止みませんと思うお話でした。次回の更新も楽しみにしています。

No title

私も雪景色を見てホワイトアルバム2を思い出しましたが、浮気エンドのかずさが一面の銀世界に立っているところでした。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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