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(流行に) 流されて感染症

「春希ぃ・・・、春希ぃ・・・。」

ドアの向こうからか細い声と
時折、ドアを押している音が聞こえてくる

そんなのを聞きながらも、ベッドの上から動けぬ身体となった春希は
何も言うことができず、思考が乱れたまま
ただただ 熱い息を吐く




「あのなぁ、かずさ。いい加減、大人しく俺を寝かせてくれ。それと、お前は入ってきたら行かんと言っただろうに。」

「だけど、春希が心配で・・・。」

「心配してくれるなら、寝かせてくれ。それに隣にいるとうつる可能性が高いからダメっていってるんだが・・・。」

「あたしは風邪は滅多にひいたりは・・・。」

「確かに風邪の一種だが、インフルエンザは感染力が非常に高いからダメなんだって。それと、本当に俺を安静にさせてくれ・・・。」

「あたしは何をすればいいんだ?」

「寝室で寝てろ。」

「でも、春希は・・・。」

「何のために俺がわざわざこうして普段使わない部屋で寝てると思ってるんだ。」

「だけどだけど・・・。」

「あと、しゃべるのも辛いんだよ、喉とか関節とか痛いし。」

「じゃ、飲み物だな?」

「いや、だから・・・。」

「起き上がる時は手伝ってやるからな。それじゃ飲み物もってくるから待ってろ。」

「そうじゃなくて・・・。」

いつもならかずさを誘導することが容易い春希だが
高熱と関節の痛みのせいでうまく思考できず
さらに、声を出すのが億劫なのもあって完全に口が回っていない
そのせいでかずさのペースにおされにおされ
かずさの好きにされている



「ほら、春希、ジュースだ。」

「あのなぁ、かずさにうつったらどうするんだ?」

「そしたら春希が治るから、それならそれでいい。」

「それは迷信だ・・・。」

別にかずさにうつったからといって春希の中にいるインフルエンザが集団移住してくれるわけではないのだから

「迷信でも何でもできることはあたしがするから。」

「しないでくれ・・・。」

そして、かずさはちっとも理解していない事態にどうしたものかと思いつつ
それをどう説明すればいいのか頭が働いてくれない

「とりあえず、かずさ。いるのは分かった、分かったから薬を飲め。」

「・・・なんで?」

「予防。」

だから色々と諦めて、春希はさっさとインフルエンザの予防に特効薬を飲ませることにした
予防効果がないとか、効き目が分からないとか色々言われてるが
やらないよりはマシではあろう

どっちにしろ、こうしてベッドに伏せっていると
かずさはそばを離れようとしてくれないし
外にだしてみたら、さっきのようにドアの向こうで弱弱しく鳴いて、ドアを動かしてで
病人の気が休まらないという状況に陥る

(本当に根っから犬属性なやつ・・・)

そんなことをボンヤリ考えながら、かずさが薬を飲むのを確認し
それで妥協することにして、春希は眠ることにした



~*~



「春希、なんか今日は元気そうだな?」

昨日の今日だけれども、予想以上に特効薬というのは効くらしい
熱が少し下がったが、それよりなにより、身体の痛みが大分緩和した
おかげで、思考は大分マシになり
そのせいで、昨日の失態を早くも後悔するハメになった

「身体の痛みがなくなったからな。それでかずさ、まず手を洗ってうがいしてこい。俺は病院いって、薬の減った分とお前の分も、もらってくるから。」

「・・・あたしの分?別にあたしは平気だぞ。」

「今はな。今夜から4~5日の間に発症する危険があるからな。その時の保険になる。」

「ふーん?」

まだ、喉も痛いし、微妙にふらつき歩きづらさは残っているものの
昨日に比べれば体感的には格段に症状が楽になったこともあり
春希は早速、病院に行くことにする

「それと、大人しくしてろよ。間違っても家事をしようとか、昨日の看病とやらのために散らかしたのを片付けようとしたりするなよ?」

「・・・そこまで、散らかしてない。」

「そこまで、な・・・。ほんじゃ留守番頼んだ。飯は一通り買ってくるから、ピアノの練習しはじめていいぞ。」

「でも・・・。」

「でも、も何もない。お前ができることは他にないだろ。」

「そりゃそうだろうが・・・。」

「だから、おとなしくいつものようにピアノに向かってろって。1日2日片付けしなくたって問題ないが、お前に被害の拡大をされるとそういうわけにいかなくなるかもしれない。そもそもかずさが誰かの看病とか無理に決まってるだろう。」

「・・・1日で口まで元気になったんだな、治ったのか?」

負け惜しみというより、疑問を訪ねるように聞いてくるかずさ

「まさか。単に一部の症状が軽くなっただけでまだまださ。のど痛いから、本当はあまりしゃべりたくないくらいだ、飲み物は自分でやるからな。」

しかしながら、昨日より症状が軽減したのも確かで、おかげで今日はかずさに隙を見せたりしない
先回りして、かずさの動きを封じ、かずさをピアニストに戻す

「・・・とりあえず、春希を心配しなくて大丈夫そうなのは理解したけど。」

まだ体調はよくないとは言ってるものの
明らかに、いつもの春希らしい春希という風情
その、口が立つ上に隙を見せない姿はかずさにとって安心できる材料ではあった
昨夜のような春希は、見てると心配で心配でたまらなかったのに比べて特に。

「それなら安心してピアノを弾いていてくれ。そうすれば俺も安心して寝てられる。」

「一言多く、無駄に言えるなら、本当に大丈夫そうだなぁ。」

かずさはそんなところから、春希の体調を推し量り、勝手に納得し、ピアノの練習に行く決意をした

「んじゃ、行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

ここだけみれば、もういつもの北原夫妻の日常

ただし、春希の頭の中では片付けをどうするかやかずさがかかったらどうすべきかやスケジュール等への影響
他にも自身の業務の遅延や優先順位、とりあえず今日中にやるべきもののピックアップなどなど
色々と考えねばならないことがあり頭を回している

果たして、これだけやることがありゆっくり寝てられかどうかも分からない自分は
このまま直ぐに治るのだろうか

そんな疑問が春希の頭の中にはあり

珍しく流行にのっけられてしまったわが身を嘆きながら外へ行くのだった

春希が休むのはいつになるのやら



~~~~~~~~~~~~~

この作品から、ここ最近何してたかをお察しくださいマセ・・・。
先週は雪かきと後半はこの流行のおかげで、創作活動時間ほぼ0という状況でした。
長編もできてきてたところに思いがけないダブルパンチをもらってしまったところです
そんなわけで、腹いせ?にこんなものを書いてみました~。


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非公開コメント

いいじゃないですか

腹いせが動機と書かれていますが、私はこういう話は大好きです。
春希とすれば、家事や看病をやらせれば改善どころか悪化させるかずさですからおちおち病気にかかる訳にもいかないですよね。健気につくそうとするかずさが良いですね。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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