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The Day After 37.5

「本当に行くの?」

依緒が聞く

「依緒は行って後悔するのと行かずに後悔するのどっちがいい?」

雪菜が答える

「そりゃあたしもそういう時は行く方だけどさ。」

「無駄ですよ、水沢さん。こういう時の雪菜は絶対に人の言うことに耳貸さないんですから。」

朋は諦めと共に告げる

「俺もそこは同感だ。それに先に回してもいいことないのもあるしな。」

武也が付け加える

そんな風に始まった、いつもの集まり
今日の会話の主題はいうまでもない
今度のコンサートの件

依緒としては心配が先立つが
雪菜は譲ることはない
譲れるわけがないのだ
言い出したのは自分だからというのもあるが
それ以上に彼女に覚悟を決めさせた理由

「覚悟、決めないとね。・・・不戦敗にはなりたくないし。」

雪菜にもあるのだ 二年前においてきたものが

「雪菜?何か言った?」

「うんうん、なんでも。」

雪菜は分かっている、今度のコンサートの意味
自分がいくなら、そのコンサートはそういうことになる

「でも、1人だけで大丈夫?誰かと一緒に行った方がいいんじゃ・・・。」

そんな事情を朋は正確に理解していなくても
今度のコンサートに行くことが雪菜にとってどれだけ影響があるかなんて
簡単に推測できるため、朋としては心配で仕方ない

「むしろ、隣に誰かいた方が、大丈夫じゃないから。」

だけど、雪菜にとってはそれこそ無理な話

「どうして?」

「昔のこと、思い出しちゃうから。」

そう、朋だけは知らない、昔のこと
もう、あれから7年経っている
それでも、雪菜には色褪せないあの時のこと

だから、隣にいる人が違うのは・・・

「それに誰がいたとしても、どうにかなることもないしなぁ。」

武也としても心配している
ただ、努めて冷静であろうともしている
このメンバーでは自分が一番その役目に向いているだろうから
それと、可能な限り、雪菜の意志を尊重したいとも思ってる
そして、そうしなければ、彼女は再び歩き出せないだろうから

「そりゃ、まぁ、あたしたちにできることは僅かかもしれないけど、さ。」

昔からそうだった
そんな想いがどこか依緒にはある
夕日の屋上で雪菜からの言葉を聴いたときから

「それならせめて、わたしが迎えに行こうか?」

「朋が?わざわざいいよ、忙しいだろうし。」

「でも、だって・・・。」

「朋は落ち着け。忙しいお前じゃ予定が合うか分からんだろうし、それ以前に目立つお前がいたら、マスコミの格好の餌食になるだけだ。」

「ぐ、確かに、マスコミはいそうですけど・・・。」

「いないわけがないだろ。冬馬かずさの凱旋コンサートってことで、既に注目の的だってのに。」

「けっこうあちこちでその話題見るしね。」

「でもでも、わたしだってできることはあるはずだもん!」

「安心しろ、いくらでもあるから、よ。だから、今回は自重しろって。」

「なんだか、みんな、ごめんね。」

雪菜にはこうしてみんなが自分の心配してくれることに感謝しつつも
それ以上に申し訳なさがある
こうして助けてもらうばかりで、返せることがほとんどなくて
それでも、自分にとって一番はやっぱり・・・

「もう、雪菜、そうやって謝らなくていいんだってば。」

「そうそう、雪菜が悪いことなんてないんだから。」

「そんなこと、ないよ。わたしにも罪はあるんだよ。」

「「「・・・。」」」

みんなのフォローに返した雪菜のセリフは簡単に否定できるものでなかった
武也と依緒は六年前に、大学の始めに何度も聞いたその言葉に、咄嗟に返すことができない
半端な言葉は届きはしないのは身にしみて理解しているから
また、朋も雪菜がその言葉をいう時の、その表情に口を挟めなくなる
嬉しさや悲しさ、苦しみと愛おしさ、様々な想いが混ざったその表情に。

だから、雪菜がこのセリフを言うとき、誰もが沈黙してしまう

半端な言葉を挟める雰囲気ではなくなる

「だから、行かないとね。」

雪菜だけが、口を開いて言葉をこぼす

後の3人はそっと視線を交わして

雪菜を見守る

それぞれ、心はコンサートへと向いていた

そう六人とも、同じ舞台をみているのだ

そして、六人ともそれをどこかで感じあっているのだ―――


~~~~~~~~~
朋は一人称「わたし」で、雪菜を「雪菜」と呼んでいるようで・・・。
いまさら気づいて、途方にくれております、37.5でした

短めですが、雪菜の心情と決意をもう一度しっかり書いておきたかったので書きました
蛇足な気もしないでもないですが、構成てきとーで前の見返して書かない故の弊害ですかね、すみません。

あと、先行きですが、WA2なので山場は季節が冬にうつってからになりますので
そこら辺を期待されている方はもうしばしお待ちくださいませ~。

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感想

嵐の前の静けさ雪菜sideといった感じですね。雪菜がかずさの生演奏を聴くのは(かずさTedだと)高校生時代以来でしょう。その時は純粋に親友になったばかりのかずさを応援していたけれど、今度は雪菜が春希とかずさに見せたビデオレターへかずさがどのような返事を出すのか、三人のこれからを左右しそうですね、次回のかずさsideの話も楽しみです。

No title

毎話楽しみにしてます!頑張って下さい!
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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