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The Day After 38.5

あれが

あれが

北原かずさ、なんだ

彼女のピアノから聞こえてきたものに圧倒され
いまだ、その余韻から抜け出せないまま会場を飛び出してきた雪菜には
それ以外、言えることがなかった

七年前に聞いた音を遥かに超えていて

どこまでも響き渡り 胸に染み込んでくる

心の中に染み込んできて染み込んできて

破裂しそうになるくらいに

心の中に入ってきて 耐えられない

何も言ってないはずなのに
その音は、いつもの彼女とは比べものにならないくらい、素直に雄弁に語ってる・・・

ただ一人への一つの想いを

何よりも強く語ってくるから

それがあまりにも鮮やかで力強いから

涙があふれて止まらない

悲しみだけじゃない 苦しみだけじゃない

溢れ出る涙に色々なものが混じりすぎている

だから、止められない、止まらない

だってそれはわたしの心が戦ってる証拠

聞こえてきた音に 想いに 心が抗っているんだから

屈したくない

負けたくない

想いなら負けてない 負けてないもんって

そうやって、心の中でかずさの想いとわたしの想いがぶつかり合っているから

同じ人への想いだからこそ
決してそれは相容れず
わたしの心の中で争っている

それがあふれ出てきて、止まらない・・・


やっぱり、そうなっちゃうよね―――

なんとなく分かっていた

ピアノにどんなものが込められているのかも
聞けばこうなってしまうことも分かってはいた

でも、逃げることはしたくなかった
ううん、できなかった
二年前だって、理由はあったけれども、心の中では逃げたという思いがあったから
ピアノの音から、かずさが奏でる想いから逃げたんだって
そんな考えが離れず
その結果が、不戦敗・・・だったと、わたしがそう思ってしまったから

あのころ、わたしたちは わたしは
かずさのことを話し合うことから逃げ続けてた
向き合えなかった
それが今の今まで続いていたということ
この苦しみが
それを何よりも証明している

ようやく決めた覚悟さえもこんなにも揺さぶってくれる

そんな音色

「そうだよね・・・!」

涙とともに声がこぼれた

分かっていたはず

おんなじだって、わかったはずだ

違いが生まれるのは
隣に、いるか、いないか

ただ、それだけ

それだけでこんなに違う

昔は、かずさの隣にいなくて わたしの隣にいた

今は、逆

だから、こんなにも違う

こんなにも苦しい

泣きたくなるくらい、ツラい

心が張り裂けそうで

二つの想いで壊れてしまいそうで―

「やっぱり泣いちゃうよね。」

「いお!?」

いつの間にか後ろにいたのか
声に振り向けば依緒がいて
隣に武也くんがいて
慌てて涙をこらえようとするも、止まってくれない

「頑張ったね、雪菜。」

「依緒ぉ・・・、ごめんね、わざわざ。」

涙を拭きながら謝るしかできない、わたし
そう、謝るしかできない・・・

「ああ、いいよ。無理に泣きやまなくて。今は泣きたいだけ泣いちゃいなよ。ここにはあたしらしかいないんだからさ。」

「依緒・・!わたし・・・!わたしね?」

止まらないまま涙と想いを吐き出したくて
でも、できるはずもない
どっちの想いも特別すぎるから
それを届けることができる相手は一人しかいない
そのほかの人に届けることなんかできるわけがないから

「今日は仕方ないよ、好きなだけ泣きなって。」

「うん、ごめんね、依緒・・・、武也くん・・・!」

2人が今ここにいる理由を考えれば
より、泣けてしまう
それに気づいてしまう自分にも――

だから、だからこそ 終わりは認められない

負けてないから

わたしは特別だから

それをもう一度、知れたから

また、教えてくれたから

だから、わたしは泣いても こんな思いをしても

この想いのために生きるって覚悟を またしちゃうんだよ、春希くん

あなたがそうさせるから

友達に支えられて 特別な3人の中で立ち続けることを

この場所に居続けることを

いつまでも を

また、こうしていることを

わたしに覚悟させる――んだね・・・

そんな罪深い あなた わたし わたしたち だね

そんなところまで、みんな似なくてもいいんじゃないかな?

だから 春希くん、かずさ、 わたしたちは こうして また―――


~~~~~~~~~~~~~~~~



まとまってるのかまとまっていないのか、自分でもよくわからない不思議な事態になってたりします、38.5です
コンサート直後の雪菜の心境ですが、うまく書ききれてない感じです
ただ、ポイントはやっぱり雪菜の想いを誰よりも理解してくれるのはかずさと春希だけなんです
依緒と武也も似たような物語を経験してるので共感できる部分もあるはずなんですが、でも違う物語だからこそ
彼女らは入れないわけでして、それがゆえに、三人の特別さは変わらない、ということです。
何度もこのSSでも語っている通りの話で、新鮮味のない話ですが、そういうことでした~。

さて、次は短編の書き途中のをさっさと完成させねばということで~(笑)

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感想

更新楽しみにしていました。今回は雪菜のあれが北原かずさという感想に彼女が感動以上に打ちのめされたという思いを感じます。以前聴いた時はかずさにブランクがあり尚且つ当時春希と雪菜が付き合いだして気持ちが今ひとつという部分もあったでしょう。今回はその時とは180度違っていて、かずさがピアニストとしてキャリアと実績を積んだ事もありますが一番は何と言っても春希と結ばれて常に側に居てくれることでしょう。かずさの演奏は雪菜に対して春希との絆の強さを思い知らせる目的もあったと思います。今後の雪菜が春希とかずさに対してどう向き合うのか楽しみですね。

かずさ贔屓なら

本日は冬馬かずさの誕生日であることはWA2のかずさ贔屓ならご存知の方が多いでしょう。ツイッターではおめでとうコメントが溢れていました。そしてBDの最終巻の発売日でもありました。これは狙っていたのでしょうか?最終巻の目玉でもあるピクチャードラマを見ました。まだ見ていない人の為に内容は伏せますが、なんと一カ所だけですが選択肢があります。WA2の新作ゲームをやった気分でちょっと嬉しかったです。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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