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日本で暮らす、二人をみつめて

あたしってお邪魔虫なのかしら?


ウィーンに行ったことで体力を消耗したために、日本に帰国してから再び入院していた

それから、多少は快復したのもあり
何より日本で暮らす、娘と息子のために
その決意と背負ってるものの重さのために
一時的なこととはいえ退院を決意
自身の寿命よりも何よりも娘たちが日本で暮らし続けられるために
できることはすべてする覚悟で
日常に戻った

戻ったのだが

自宅に帰ってから早数日

最初の高潔な志と思いは綺麗に霧散し
先ほどの感想にいたった

理由なんて言うまでもない

「なぁ、春希。あと、どれくらいで終わる?」

「まだ、かかるよ。」

「そうなのか?仕方ないな。」

そんなことを言いながら、春希の膝に寝そべり
甘えるように自分をこすりつけつつ
存分に春希を感じている、わが娘

母親でありながらも初めてみる、娘の姿に
まさかここまでとは思いながら
呆気にとられているというか
開いた口が塞がらないというか
誰、これ?
みたいな心境

少なくとも、冬馬曜子の知る、かずさからはほど遠い

多少はこうではないかとは予想していた
だが、これは予想をさらに超えているもいいところ

あの不器用で、感情のまま素直に振る舞えず、いつも逆のことばかりしていたかずさは見あたらず
目の前には夫に全身全霊をもって甘えに甘えている娘

しかも、親の目があるはずなのに
今までならそれはとても影響があることで
かずさを余計に面倒な性格にさせるはずなのに
今はないも同然

「社長、とりあえずこれをご確認ください。」

「え?え、ええ、分かったわ。」

プリンターから吐き出された書類を渡されたことで
ようやく我にかえった冬馬曜子だが
まだ驚きは覚めやらぬ状態

「次は何をするんだ?」

「メールの返信をしたり、スケジュールたてたり、書類を作ったりだ。」

「ふ~ん、まだまだ色々あるのか。それなら、珈琲いれて欲しい。」

「ん、はいよ。」

そう言ってPCの前から立ち上がった春希を見て曜子が思わず言ってしまう

「かずさ、あなたそれくらい自分でやりなさいよ。」

そんな母親の言葉にも一瞥して

「これでいいんだ。」

自信満々に答えてくる
何がいいのかは知らないし、理解もできない
いや、確かにかずさに珈琲いれさせるのに不安がないともいえないのは感じるけれども
これは絶対にそういいのではない、はず

「いつも、こうなの?」

「何がだ?」

「あなたたちの日頃の生活に決まってるでしょ。」

「こんなもんだけど?」

「ウィーンでも?」

「ウィーンでも。」

そのかずさの返答に、思わず感心する
春希くんがウィーンという異国の地にありながら
仕事という点だけでなく、身の回りの面倒までよく1人でみてきたことに。

「かずさ、自立って言葉知ってる?」

「知ってるぞ。」

簡潔に返ってきた返答は
いつもみたいに母親に対する反抗の意思もなく
単に言葉をそのまま返しただけで
いつの様な会話の組み方が通じないし
母親のよく知るかずさでない

これが北原かずさなのかしら

そんなことを思わせる

感慨深いような、何かあきれ果てるような
複雑な気もするし

単にバカップルめと思わないでもない

「あなたたち、仲いいわねぇ~・・・。」

賞賛5割、呆れ5割
それが上限いっぱいの感想

というか、目の前にいる、なんだか人間やめてるような姿の娘はなんなのだろうか
あたしの娘ってこんなだったっけ?とか本気で疑問に思わないでもない

なんというか認めたくないだけなのかもしれない
 
娘がここまでバカっぷり的なイチャつきを披露していることを、だ

確かに、娘の恋の深さと重さを知ってはいた
自分には理解できないくらいに一途でただ一人を想い続けてきたのを感じていた
隣で見続けていた

それが叶ったことを鑑みればおかしくないのかもしれない

かもしれないが、それでもやはり受け入れがたいのだ

こんなのが自分の娘だということと

自分をそっちのけで目の前でひたすら砂糖をぶちまけている光景を。

砂糖は何よりの好物であったはずの自分にとって
これが甘すぎるということなのかと理解させるくらいに
これはインパクトがあったというか、人生において初めての経験となった・・・

などと逃避を図ることで動揺を抑えてみたものの
目の前にいる二人が娘と娘婿ということに変わりはない

「因果応報って言葉はどこにいったのかしらね?」

「なんだ急に?」

「あなたたち見てたら、疑問になったのよ。」

「わけわからんぞ、母さん。」

「親の因果が子に報いっていうじゃない?」

「言いますね。そして、それは割と正しいんじゃないですか?」

コーヒーを持ってきた春希くんがそう答える
律儀に私とかずさの分
次に自分の分を持ってくるあたりは流石

「あたしのはどこにいったっていうのかしら?春希くん。」

「そのおかげでこうしていられるのかもしれませんから。」

「遠まわしにわたしの男性遍歴に対して批判しているのは理解したわ。」

「いえ、そういうつもりでは・・・。」

「100%?」

「半分くらいですかね。」

「春希~、説明。」

理解できなかったかずさが説明を求めているけど
何にもしてないのだから頭くらい使った方がいいじゃないかしらとも思う
言っても無駄なんだろうけども

「親のやったことは子供に影響を与えるってことかな、簡単にまとめると。」

「なるほど。」

「また、うまく逃げた説明なんだから。そういうところは本当にうまいわね、昔から。」

「その俺の上手をいってやり込めてきた人が何を言うのかとも思いますが。」

「母さんもなんだかだんで口から生まれてきたタイプだよな。あたしの家族はそんなのばっかなのか・・・。」

「あら、あたしはともかく、旦那は自分で選んだくせに。」

「母さんに毒されたかな、あたしも。」

「そういうかずさも口では負けてないだろ?」

「春希に毒されたかな、あたしも。」

「「他人のせいにしないように。」」

「とか言うくせに母さんも春希も詭弁で逃げたり責任押し付けたり、回避したりしてるだろ。」

「それが処世術ってやつかしらね。」

「俺は他人のせいにはしてないから。」

「あんまりそうやってなんでも背負い込まないほうがいいわよ?」

「母さんはもう少し責任を持ってもいいと思う。」

「責任感があるからここにいるんじゃない。この砂糖の巣に。」

「なんですか?それ。」

「砂糖の巣っていい響きだな。」

不思議がる娘夫婦ではあるが、本人たちはそんなものなのだろう
はたから見なければ分からないことはいくらでもある
これもそのうちの一つ

・・・なんだけど
それを見つめ続けるのって なんというか

「これが爆発しろって感想なのねぇ・・・。」

「「?」」

不思議顔まで2人お揃いなんだから、やんなっちゃうわねぇ―


~~~~~~~~~~~
39.5でなくてすみません。そっちも書いてますが、例の区切りをどこでつけるかという問題にあたりまして。

そんな理由で、前から書いてた短編をあげさせていただきました。

冬馬曜子としては、もちろん親としての喜びや嬉しさもあるでしょうが、同じくらいこの2人にあきれてる面もあるんじゃないかなぁと思い、こんなものを書いてみました。

曜子がそう言える幸せもまた感じていただければと思います。


そしてやらかしました
アップしたかと思っていたら、されてませんでしたので、改めて今致しました・・・。
昨日、待っていただいたか、おられましたら、すみませんでした


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感想

冬馬曜子がこれまで見たことのない我が子の姿を見せられてどう折り合いをつけるか悩んでいるといった感じですね。本当はかずさも母にもっと甘えたかった筈ですがそんな事が出来る家庭環境では無かったですしその時の反動も含めて春希に全力で甘えて、春希もそういうところを理解しているからこそ全て許しているのでしょう。曜子さんもその辺は頭では理解しつつも春希に嫉妬する様な感情を抑えきれない所が面白いですね。

最近更新が多くて嬉しいです
確かに結ばれた2人は陽子さんがいようがいまいが関係ない気がしますね(笑)
陽子さんの前だから気にならないってこともあるかも?w
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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