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The Day After 41

「なんだか久しぶりな気がするな、ここでこうして寝るの。」

「半年くらいしか経ってないのはずなのになぁ。」

「その半年がでっかかったんだろうけど。」

「その前の二年に比べると、かなり、な。」

「本当に。・・・そのおかげで、今はこんなにも満たされたように感じる。あたしって悪い子なのかな?」

「そのために俺たちは日本に行ったんだろ?2人の世界から抜け出してさ。だから・・・。」

「悪いってことはない、か?」

「と、俺が言っていいのか、そんな資格があるのかって話だけど。」

「だよなぁ。」

2人、久しぶりこのベッドに寝ながら
囁くように声を紡ぐ
半年以上前の二年間は毎日そうしていた
毎日抱き合って眠った場所で
だけど、今日は珍しく いや、初めて 眠るだけ
2人、服を着てただ抱き合って眠ろうとしている
そう 二年半前の日本で抱き合いながら囁きあいながら
それだけで眠ろうとしている



The Day After 41



「それでもこうしてるだけで満たされるのは初めて、だよな・・・。」

「不思議な感じはする。」

「ま、春希の下半身はそうじゃないって言ってるけど。」

「・・・それはまた別の次元の話だ、触れないでくれ。」

「いいのか?」

「選べる時くらいしないのもって思うんだがどうだ?」

「確かにこんな機会は滅多にないから、それもいいかもしれないが・・・。」

「我慢しなきゃいけないわけでもなく、しないってのは、それも一つの鎖を断ち切ることになるんじゃないかと思ってさ。」

「そういう所は変わらず頭でっかちなやつ。」

「考え過ぎなのは知ってる。だが、できることはする、が俺たちだろ?」

「その結果、あたしはまたおあずけか?」

「そう言われるとそうなんだけど、おあずけって程のことでも・・・。」

「春希は誤解しているふしがあるが、あたしだって望んでるんだ。春希ほど分かりやすく体に出ないだけで。」

「男なんだからしょうがないんだよ。あと誤解もしてないぞ。ついでに本当に触るな、耐えられなくなる。」

「してないか?というか耐える意味がない気がするんだがなぁ。」

「してないぞ。それこそ、あの頃はおあずけにしてたのは事実だし、お前が望んでることもしっかり分かってる。それと、さっき言った通り、今日くらい、だ。」

「分かっていながらそれでもわざわざおあずけにするなんて、さすがの春希だな。」

「そこまで言われる覚えはない、と言いたいが、言うとやぶ蛇になるだろうし。」

「・・・前から気になっていたんだが、そうやってわざわざ口に出すのって、北原流のネタなのか?」

「そんなわけないだろ。ただ単に言いたいことをいいつつ、予防線を張ってるだけで。」

「これまたさすがで・・・。」

「お褒めに預かり。」

「いや褒めてないからな、分かってるだろうが。」

「言葉通りに受け取った方が気が楽だ。わざわざ悪く考えたくはないし。」

「だからいい性格してるって言われるんだよ。」

「それも以下同文にしておく。」

「これだもんな。まったく、うちの旦那は・・・。」

「どうした?」

「何が?」

「いや、かずさが俺のこと『うちの旦那』なんて言うの初めて聞いた気がする。」

「・・ああ、滅多言わないだろうな。そもそも、ほかの人間に向けて使う言葉だし。」

「なるほど、それで俺たちには無縁だったわけか・・・。」

「ああ、だった。でも、これからはそうでもなくなるかもしれないと、どこかで無意識に切り替わってきてるんだろ。今のはあたしだって無意識だった。」

「少なくとも触れられない記憶がなくなったことで意識の変化はあるわけだ。」

「そいうことだろうな。こうやって少しずつ言わずにいた言葉、言えなかった言葉とか、色々な言葉を口にするのも増えていくかもな・・・。」

「なるといいな、2人で外に出て、さ。」

「ああ。これからは、そうなっていくさ。そうするって決めたんだから。」

「と、いうことは俺は益々コミュニケーション能力が求められるわけだな。」

「お、分かってるじゃないか、今夜は珍しく春希が皮肉でなくて理解を示すなんて。」

「これも充分遠まわしな皮肉にもなるけどな。でも、お前にそれを求めるのは無理だってのはしってるし、下手にやられると却って俺の負担が増える未来しか見えないから。」

「もちろんそこまで理解した上で言ってるぞ、あたしも。」

「なぁ、その理解力の発揮方法って俺にとってプラスになってるか?」

「知るか、そんなの。あたしは単にお前を理解したいと思ったから観察を続けて理解しただけだ。それ以上に何かを求めたわけじゃない。好き勝手はあたしの十八番だろ?」

「それもそうだったな。」

「だから、あたしはどこまでもただただお前を理解していく、それがあたしのライフワークだ。」

「それはいいけどさ、外ではピアノで頼むぞ。そういうことになってるんで。」

「大丈夫だ。外であたしがそれを口にする機会がない、何を今さら言ってるんだ?」

「分かっちゃいるが、これからはもしかしたら万が一そういう機会がないとはいえないかもしれないだろ?」

「・・・えらく低そうに聞こえるのは気のせいじゃないよな?」

「だって低いだろ。お前がわざわざ赤の他人の質問に答えるとは思えないぞ。」

「春希だって知らない奴らから似たような質問を次から次へとされる上にプライベートなことまでずけずけと聞いてくるような目に遭えば分かるさ。」

「そこなんだよなぁ、ポイントは。事前にしっかり調べつつ、会話の中で本人の性格を掴みながらだからどうしても最初はありきたりな質問になっちゃうんだけど、それだと相手は聞かれ飽きてるだろうしさ。そこをどう飽きさせずにうまく聞いていくかってのがとても難しくて。」

「急に前の仕事の愚痴をはかれてもなぁ・・・。それはあたしに対するあてつけか?」

「そういう訳でもないが、冬馬家は親子揃って記者泣かせだよなとは思った。」

「ああ、母さんもなんだかんだで相手を困らせるの得意だよな。」

「かずさみたいに無口かつ気難しい人も大変だが、お母さんみたいに場をコントロールして聞きたいことを聞き出させてくれないってのもかなり強敵だと思う。」

「まさにあの人は人を口車に乗せるからな。」

「俺もいまだに乗せられることがあるし、取材する側にとってはほんと苦労させられる人だよ。その常識に捕らわれない振る舞いもあって、なかなかに。」

「なんだかブラックリストに載ってそうな気がしてくる。」

「業界内では何かと言われていけどな、俺が代わりに取材に答えるようになったらありがたがられたくらいには。」

「あたしも母さんも優等生からは程遠いからなぁ。」

「だから俺が力になれるし、こうしてるんだから、いいんじゃないか?」

「別に何かしてほしくて隣にいてくれと思ってるわけじゃないんだけどな。」

「分かってるけど、お前ができないこと、苦手なことがいくつもあるのは動かしがたい事実だから、放っておけないって言ったじゃないか。それと、何もせずにいるのも性に合わないし。」

「じっとしてられない奴だとは昔から思ってたよ。それこそあの頃から。」

「そうだな、昔っからできるのにしないってのには耐えられない方だから。」

「その結果、ここまで来たってわけか。」

「そうだな、ここまで来た・・・な。」

そうして言葉なく振り返る

世界を裏切る日まで、裏切った日から 色々なことがあった

その全てを思い返して 懐かしみ 受け入れることはできやしないが

思い返すだけなら できるようになった

だから 春希は 思い出して 決意する
眠らせていたものを開けることを―――


~~~~~~~~~~~~
ということでウィーンに行ってからの初日の夜でした
構成と会話のネタは何度か書き直していたために最初から大分違ったものになりましたが
形にようやくなったので挙げることができました。12月から更新が滞っていたのはほぼこれが原因です。
そして、4日に間に合わずに・・・。 

また、短編はこっちの先とネタがリンクするのでそちらに吸収合併されまして。
なので、次がいつになるかはなんとも言えず、です

それと、例のミニアフターですが、実は色々と怖いといいますか、懸念といいますか
なのでなかなかプレイに踏み切れません
下手をすると根本的にこの長編が水泡に帰すこともあり得るので
とはいえ、冬の間にはやりたいかとは思ってますので、それ次第でまた更新も変わってくるかとは思います

等々、長くなりましたが41でした~。


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感想

更新お疲れさまです。
北原夫妻は帰国して雪菜達と和解したことで精神的にかなり安定した様に感じます。過去を振り返るとひたすら懺悔一辺倒だったのが、その事さえも前向きに進む力に変えていこうとしている様ですね。
次回も楽しみにしています。
ミニアフターはまだ未プレイという事ですが、それを基に新たなssを読ませてもらえたら嬉しいですが、「The Day After」の世界観にミニアフターの背景を入れる必要はないと思います。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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