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年が明けたので、お年玉を

「2人ともお年玉、いる?」

年が明けて何を思ったのだろうか
あまりにも唐突に曜子がそんなことを言い出した
そんないきなりの申し出に春希とかずさは顔を見合わせる

「どうしたのかしら?2人で顔なんか見合わせちゃって。」

返事なく顔を見合わせる2人に曜子がいぶかしんで聞いてしまう
なぜ、そうしたのか、曜子には分からなかったが
2人に言わせれば何を急に、である

「母さん、急にどうしたんだ?」

「それにお年玉って歳でもない気がするんですが・・・。」

「急にもなにも、そういえば年始にはお年玉があるなぁと思っただけじゃない。」

「いや、あたしが子供の頃なんて年末年始はあんたが家にいることなんかほとんどなかったし、お年玉を貰った記憶もほとんどないんだが。」

「・・・そうだったかもしれないけど、今年はこうして家族揃ったんだし、お年玉くらいあげようかなぁって思ったのよ。」

その言葉に再び2人は顔を見合わせる

2人の懸念材料はなぜか曜子が乗り気なこと
お年玉をあげることにそんなに乗り気になれる理由が分からない点

「なに?何がそんなに気になるの?」

2人の反応がかなり微妙なのが見て取れた曜子は質問しそれにアイコンタクトで会話しあった2人は
いつもの役割分担にのっとって春希が口を開く

「中身が普通の範囲であれば。」

そして口から出た言葉は単刀直入かつなんのオブラートにも包んでいないなものだった

「・・・どういう意味?」

明らかにお年玉に対する返答じゃないことと
2人の懸念が理解できていない曜子としてはそんなことを言われる理由が分からない

「いやだって母さんが単に普通に子供にお年玉をあげるのにそんなに乗り気な理由が分からないんだよ。だから・・・。」

「だから何かあるのか、と思うのが人間でして。」

「・・・ああ、そういうこと。こっちは普通にお年玉のつもりなんだけどなぁ。」

「母さんだからな。」

母親の普通のつもり発言に白い目を向ける娘
春希もそれに対して言葉に出さないだけで、無言の肯定はしている

「お年玉っておこづかいでしょ?そこにわざわざ奇をてらったりはしないわよ。普通に中身は現金。」

「でも、あたしたちはそんな歳じゃないんだが。」

「いいじゃない。今までちゃんとあげたことなかったし。そういう家族のイベントに参加してみたいってこと。」

「はぁ・・・、それならそれでいいんだが。そもそもあたしたちはもらう側だから、本来なら文句を言える立場じゃないし。」

「まぁ、常識の範囲内であれば、俺もそれ以上は言うことないですが。」

「問題はそこなのよねぇ。わたし、あげた経験ないからいくらぐらいがいいか知らないのよ。いくら欲しい?」

「「へ?」」

「お祝い事って縁があんまりないから、よく知らないの。」

「母さんは貰ったことないのか?」

「ちゃんとしたのはないわね。なくても困ることなかったから、気にしてなかったし。」

「母さんの経済観念が酷い原因がよく分かるセリフだよな。お年玉なくても困ったことがないなんて。」

「あなたにだけは言われたくはないセリフよ、それは。あなたなんかお金に困ったこと生まれてこの方、一度もないじゃない。わたしはこれでもヨーロッパに渡った時は苦労したんだから。」

「その苦労って人並みの苦労はとは違うものだろ。あと、あたしはピアノ関係以外では大して使ってないぞ。あんたと一緒にされてもな。」

「苦労の種類なんて重要じゃないわ。種類でなく、苦労した事実が大切なんだから。それと高校の時、浪費したでしょ?」

「それは単なる嫌がらせとあてつけのためだけで、意味ないしな。使わなくてもあたしは問題なく生きていける。それより、あんたはヨーロッパに行ったことで経済観念は鍛えられたのか?」

「・・・嫌がらせだとは思ってたけどやっぱりだったのね。」

「後半に対して答えがないってことは、結局は鍛えられてないってことだろうが。」

「だってそこを鍛える必要がなかったんだものー。あなただってそうじゃない、必要ないことをわざわざ鍛えるほど暇じゃなかったしねぇ。」

「そんな母さんがわざわざお年玉とか言うから違和感があったんだよ。」

「そんなに言うならあげないわよ?」

「いや、最初からいらないんだが、そもそも。」

「もらえる物はもらっときなさいよ、それがどんな時に役に立つか分からないんだから。」

「生憎と金には困ってないからな、な?春希。」

「ん?ああ、お金には困っていないな。」

先ほどから母娘の色々と遠慮のない明け透けなやりとりに
触らぬ神に祟りなしという思いで見守っていた春希なので
話をいきなりふられても答えるまでに間があったりした

けれども、お金に困っていない2人ではあるし

「それに、ただより高い物はないとも言いますから。」

春希の人生訓としてはそっちの方が大きかったりする

「そう?親子なんだからそう警戒する必要もないんじゃないかしら。」

その親子って点では、春希の場合、微妙な所である
あの親から何かをもらうってのは安いことじゃない

「というわけで、わざわざ今さらお年玉なんていいってことだ。だが、くれるってのなら考えてもいい。それがあたしたちの結論。」

春希を知るかずさは少し強引に話をまとめにかかったが
その内容はとてももらう側の立場とはいえないものではあったが

「お年玉で何でそこまで色々とひっかかるのよ?」

その曜子の不満げな問いに、子供2人は今度は顔を見合わさず、応えた

「母さんだからだ。」

「お母さんだからです。」

その2人の率直な返答にとうとう曜子も言葉を失うのだった

そんな新年の一幕―――



――――――――――――――――――――
最初に思いついて書いたものが長編の方向きで吸収合併されてしまったために、他にネタはと考えてふと浮かんだのがこれでして、そんな経緯で、親子3人の短編となりました。新年ははるかに過ぎてはおりますけどね(苦笑)

この所、これまた更新頻度が低いですが、まだ止めておりませんので、気長に付き合っていただければと思います。

あと次作は多分WA2か、もしくはハルキスになるかと思います
ヒロインは葵あたりかと。
WA2は長編を挙げるつもりですが、その進度によってはハルキスが先かもしれませんし、ハルキスが書けなければWA2となります。

そんなわけで寄り道しつつ、マイペースに書いておりますので、また遅くなるかも・・・という気もしますが
なるべく今週中にまずは一本挙げておきたいですね

現状と予定はそんな感じになっております。

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感想

冬馬曜子が人並みの事をやろうとすると裏に何かあるかもしくは人並みの度合いが分かっていないのではないかと勘ぐる北原夫妻、お馴染みの光景であるものの何処かほのぼの感漂うこの手の話は嫌いではないです。次回更新楽しみにしています。

拍手の総数が2000を越えましたねおめでとうございます。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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