ウィーンで新たな任務発生なり

「で、ここ?」

「そ、ここ。」

「・・・これ、全部?」

「多分?よく知らないが。」

「・・・こんなに大量にあるものをどうしろと?日本に持って行くのはそうとうの手間がかかるだろうし。」

「その、なんか、ごめん・・・。」

「いや、かずざが悪い訳じゃないのは分かってるって。」

「でも、知らなければそれで済んだかもしれないが、春希は知ったら放っておけないだろうし。」

「時間の問題だしなぁ。遅かれ早かれ気づいたさ。だから、それはいいんだ、いいんだが・・・、それにしても倉庫なんて借りてたんだなぁ・・・。」

思えば、半年前までのウィーンにいた時はかずさに関わらない家事なんて優先事項として最下位なので、物置とかなんて気にもしてなかったし、どうでもよかった。だから何がどれくらいあるかなんて知らななかったし知る必要もなく、お母さんは既に日本に永住する予定で日本に来たのだから、必要な物などは持って行ってるはずとなると、残ってるものなんて大した物がないだろうと踏んでいた。
踏んでいたのだが、大して必要ない物の多さには圧倒され、呆れるばかりだった
よく考えればまだその頃はウィーンに戻ってくる可能性もあったし、少なくともかずさが日本に居続ける可能性はかなり微妙だったことを考えれば
様々なものを置いていったのも分かる話

分かる話なんだが、現実に置いてある物量を見てしまったら
目を反らしたくなるというか、なかったことにしてしまいたくなるというか・・・

「これ、日本に持ってくとしたら、どんだけコストと労力がかかるんだろうなぁ・・・。」

まぁ、そういうことである

もはやここまでの量となると引っ越し屋さんあたりに頼むしかないように思えるが
国際対応している引っ越し屋さんなぞあるのだろうか
あのCMでやってる所は、頼めばウィーンに、いや成田まででもいいから来てくれるのかとか、そんなことまで考えてしまう
もしくはこう国際的な配送代行サービスみたいなのがあればとも思う
いや、あるはずだ

あるはずだが、信用がおける
高価なものを預けることができることや、情報をよそに漏らさないことなどだが
そういった所の心当たりがないし
何より果たしていくらになるかが怖い
見積もりだけで目が飛び出るような値段になることが予想できる
例えそれが冬馬家にとってはそんなもんでしょ、といえる金額だったとしても知ってしまうと躊躇う自分が容易に想像できる
だからといって放置もできないので
腹を括って業者を選定するしかないのだ

ないのだが

「これ、少しは整理するとかしないのだろうか。」

元々、物が少ない春希にとってはこんなに物があること自体に違和感を覚え
整理したくなるというか不要なものは捨てた方がとか考える

「好きに整理していいと思うぞ。どうせ置いていったものだし、必要なものなら既に送って欲しいと連絡来てるだろ。」

「だけど価値あるものとか、入院中は必要なくても自宅療養ならいるものとかありそうなんだよな。」

「気にするな、こんな貸倉庫に突っ込んである時点で、察せられるレベルだろ、ないとも言わないが。」

「そこなんだよ、お母さんのことだからな、高価なものでも平気でそこら辺に放り込んでそうで怖いんだよ。」

「なら、全部送って本人監修の下で整理するか、リストでも作るんだな。」

「それが妥当か、やっぱ。」

「ほら、考えようによっては春希の仕事が増えたんだし、いいんじゃないか。」

「なにその暇人設定。俺、仕事が欲しいとか最近言った覚えないぞ。」

「でも日本に戻ってからこっちにきて以来、昔に比べて色々と余裕があるように見えるからな。時には手持ち無沙汰な顔さえしてたから。」

「そりゃあ、さすがに、な。」

「さすがに、か。」

「だから、前よりも余裕はあるが、家事とも言えないような倉庫整理させられるとはなぁ。」

確かに色々と楽になった分、時間が余る時もあるのだが趣味らしき趣味がない分、ふと余った時間どうするかということがある
そんな時にそんな顔をしていたかもしれない
かもしれないが、だからといってよく分からん倉庫の中を整理したいとは思わない、さすがに。

「適材適所だとは思うぞ。少なくとも母さんよりはよっぽど。」

「そこと比較されてもな。」

「そう言うとは思ったけど。」

さすがに片付けがまったくできない人と比較されてもとは思うが
他にできる人間がいないのが冬馬・北原家事情なので
諦めて取り組むしかないようである

そう、取り組むしかないのだが

「日本に置き場所、あるのだろうか・・・。」

結局、日本でやった整理をもう一度ウィーンでやらねばならないだけでなく、そうして空けたスペースがまた埋まるどころか
スペース足らないという気がしてならないのだ

春希の整理整頓の日々はまだまだ続きそうな予感のする

そんなある日の午後


~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は話題軽めの短編でした~
実際にものが多そうな冬馬家なので春希の苦労はいかばかりか・・・と思うが故のSSです

整理整頓のコツは物を減らすことなわけですが、それを実現できる日が来るのでしょうなかね、この家族には(笑)

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感想

更新お疲れ様です。
予告通り短期間で新作を読ませていただき嬉しいです。
冬馬家の物の多さは無趣味で生活のための最低限の物しか持たない春希から見れば想像を絶するのでしょうね。
かずさが言うとおり曜子さんの事だから倉庫にある様な物の大半はその時の気分か衝動買いした物ばかりの様な気がします。
先ほど春希は無趣味と書きましたが今回の様にお節介を焼くことが春希は否定するでしょうが趣味の様なものになっているのかもしれませんね。
次回も楽しみにしています。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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