午前7時、北原家

このお話にはかずさと春希の子供たちが出てきます
設定に関しましては長編のをご覧いただき、ご承知いただければと思います
この設定が苦手な方は回避なさってくださいませ。



~~~~~~~~~~~~~~~~

本日、朝7時

今日の朝食が出来上がった

メニューは目玉焼きとご飯と味噌汁

日本によくあるシンプルかつ代表的な朝のメニューなんじゃないかと思う

量は三人前

俺と妹と母さんの分

父さんの分はいらない

だって、父さんはお空の向こう



そう、父さんは



旅立った―――



母さんの世話を俺に押し付けて



父さんは仕事にヨーロッパへと行ってしまったのだ・・・



北原家、朝7時



なんだが別の意味に聞こえるのは多分俺の恨み言を言いたい気持ちのせい

なぜって、おいてかれた母さんの機嫌はすこぶる悪く、大変だがらだ

確かに仕事に行った父さんからすれば、母さんを連れて行ったら仕事にならないのはよく分かる

妹も俺もいる日本においていくのは理にかなった選択だ

それは分かる 分かるのではあるが

そんな母さんをケアする身としては それはそれで一言くらい言いたくなるということだ

父さんがそばにいない時の母さんのあらゆる意味で酷いのはもう何度も経験済みな故の文句である


「兄さん、おはようございます。」

そんなことをつらつら考えながらご飯をよそっといると、妹がやってきた

ちなみに、その妹を起こすのが俺の朝の日課

その理由も、これまた母さんのせい・・・

「兄さんに起こされてこその朝です。兄さんが起こしてくれるまで起きません。」

などと主張し、実際に妹は自分で目が覚めても俺が起こしにいくまで起きることはしないのだが

それこそまさに、兄さんの部分を春希に変えた母さんのセリフそのものであり、母さんのスタイルであるのだ

そんな所までわざわざ受け継がないでくれていいと思う兄心なのだが

その兄心はなかなか伝わってくれないらしく、今朝も起こすこととなった

一度くらい止めようかとも思うのだが、そうしたらおそらく学校に登校しないであろうし

俺が起こすのを再開するかそれとも妹が自力で起きるかの根気比べしたら負けること間違いなしなので、やらないしやれない

我ながら妹には甘いという自覚はあるのだが

まぁ、しょうがない 我が家の母さんはああだから俺に甘えるのは分かるので



そんな俺もいつか妹離れするのだろうか などと考えつつも

朝食をとることにする

当然、母さんを起こしはしない

父さんがいない時は自力に任せるスタイル

かつて起こそうとしたのだがなかなか起きず遅刻しかけたこともあり

その時に馬鹿高い国際電話をかけてまで父さんからもらったアドバイスが

「お腹が空いたら勝手に起きるだろうからご飯用意しておけばそれでいいぞ。」

だったことがあって以来、そう決めた

まさに無駄な努力をした気分にさせられた訳である

今でも思うがあの時、母さんはもう目が覚めてたが、父さんがいないから起きることを拒否ってたのではないだろうか

ということで妹と2人だけでご飯を食べる

今朝はいつもと比べて少し静かな朝の時間



単に朝から恒例の両親による夫婦漫才がないだけなんだけどね



「なんだか少し物足りない気もしますね。」

そんな俺の心情を察してか妹のセリフに軽く笑って返す

微妙に自分がそんなに妹にとって分かりやすいのか疑問が湧いて出てくるのだが

藪をつつくような真似はせずに、同意だけしておくことにしよう

なにも代わりに漫才を始める必要はない、はず


「そういえば母さんのお昼ごはんはどうしたんですか?」

まだ夢の国にいるか、不貞腐れの国にいるであろう人のお昼を心配する妹だが既に手は打ってある

「三人分お弁当用意したから大丈夫。メモ書きも残していくし。」

「それなら大丈夫ですね。放っておくと平気で抜きますからね、母さん。それで体調崩されても困るところですし。」

「父さんいないと、楽器弾くか、寝るかの二択しかないような気がするしな、母さん。」

そこで楽器だけは弾くのが母さんが母さんたる所以なのだろう

しかしながらロクにご飯とらずにそれをやられると当然だが途中で体調崩すので気を付ける必要がある

2人だけで暮らしてたというウィーン時代は本当にどうしていたのか今でも疑問が尽きない

そもそも母さんと父さんに関しては息子からしても疑問が尽きないというか

一度でいいから徹底的に質問したくなることがある

麻里さんや小春さんの影響なのかもしれないが、実際に山ほど聞いてみたいことがあるのだ

とりあえずリストをそのうち作りたい 10や20どころじゃない量になるだろう

「にしてもいなくなると改めて父さんのありがたみが分かるな、ほんと。」

「我が家ではそうなりますね。」

妹もこれにはしみじみ同意してくれる

父さんがいなくなると一番大変なのが母さんの面倒をみることって

一体全体どういうことなのだろうか

というかなんで大人の面倒を見る人が必要になるのだろうかという所から始まる


「とはいえ母さんが自分で自分のことをするというのも違和感がありますけど。」

うん、実際にはもしそうし始めたら違和感というか何があったのか心配するレベル

それほどまでに人生を父さんに丸投げしてる人である

「それは俺も同感だ。とはいえ今回は明日には帰ってくるそうだから何とかなるけど、長くなる時は色々と、本当に色々と大変だからなぁ。」

こんな風に好き勝手言ってるのだが、それが本人の耳に入っても

気にしないどころか全肯定してくる人はこの世で母さん以外いるのだろうか

そんなわけで我が家の母親は家族の役割という点から考えると最も母親から遠い所にいる存在なのだ

ちなみに一番近いのは父さんなのは言う間でもなく 時点で俺 次に妹という順番

要するに女性陣は音楽があるのでそれがない男性陣が家事メインということである

実に確立された分業スタイルである

とはいえ、母さんと妹の間には家事ができるとできないという超えられない壁があることは付け加えておかねばならない

「そうですね。たとえばお母さんをお風呂に無理やり入れたりしないとならないですもんね。」

他人が聞くと妹のセリフに何を言ってるんだと思うかもしれないが

我が家では決しておかなしことではない

なぜなら母さんは父さん帰ってこないと基本的にお風呂にも入らなくなる

そして数日経つとさすがにどうかと思い2人かがりで無理やりお風呂に入れることになる

というか入れたことが何度もある

直近では、数か月前のこと

この歳で親と妹とお風呂に入ることがあるなんて あり得ないだろう

そう世間一般ではあり得ない 

だが我が家では時にある

さすがに妹一人では母さんをお風呂にいれるのは無理なので入れる時は俺がやらざるを得ないのだ

とはいえいくら何でも体を洗うのは妹に任せてはいるのだが  

それもまた分業が確立しているし 確立するくらいには何度もしているのだ

「でもせっかくですからたまには三人で入りますか?あ、それとも兄さんは私と二人の方がいいですか?私が背中流してあげますよ?」

我が家であること 世間の非常識

ということがいくつもある この生活

となれば当たり前だが、間違っても友人には話せないし

家族の話題を口にしづらくなるのをご理解いただけると思う 

バレた日には本気で引きこもりたくなるようなことがこうして普通にあるこの家の日常である

母親が有名人だから家族のことを口にしないのではない

尊厳ある生のために言えないのだということを 分かってほしい

しかもだ

それを打ち砕こうとするのは父さんと母さんだけじゃないのが本当にどうしようもない

どういうことかというと、さっきの提案に同意すると本気で妹は実行にうつす



本当に 我が家は異文化 真っ只中である



それにしても、どう答えればこの問いに対して正解なのでしょうか



今日もまた朝から家族によって変なことに悩まされるという 


いつもの北原家 そのもののようで・・・・・・


~~~~~~~~~~~~~~~~
土日挟まずにはさすがに書きあがりませんでした・・・
ということでいつもの懺悔から始まりましたが、兄妹ネタのSSとなります

まだ兄妹の性格も完全に作りあがっておらずブレがないか不安もありますが
こうして短編を書いていくことで作り上げていければと思っております。

短めですが、ちょっとした朝の風景と春希のいないかずさの不貞寝を書きたくてという作品でした(笑)
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春希の教育の賜物

更新お疲れ様です。
春希のことだから我が家ではこうしているが世間一般ではこうなんだということを子供達には日頃からよく言い聞かせていたのでしょう。
この家族は何をするにも常にかずさをどうするかが基本なのでしょうね。
それにしても旅立つ前の日から当日までのかずさはどんな感じだったのでしょう?思うに最後まで何故自分も連れていかないのかと駄々をこねそれを春希や子供達がなだめ続け、最後春希が部屋から出る時行ってきますの言葉を寝たふりして聞いていたのだろうと想像してしまいます。
次回も楽しみにしています。

No title

楽しみにしていました北原一家シリーズの続きを読むことができてとても嬉しいです。
ありがとうございました。
きっとこの妹さん、生まれた際、かずさに「あたしの血を引いてるんだ。春希に惹かれないはずがない。でも、春希はあたしのものだ。兄なら許す」と言われていたのでは?と考えると、ますます微笑ましいものがあります(家族紹介編にそんな描写がありましたが)。
午前7時ということですが、まだまだ続きが読みたいです!
個人的にはこの兄弟が同じ高校に登校するとなると、登校中にどんな構図になっているかが気になっています(笑)。

No title

子供たちの話しは、楽しくていいです。
シリーズものとして、長編化を期待しています。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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