午前7時45分、通学路

本日、父さんのいない我が家で不貞寝している母さんを放置して

さっさと学校へと向かっている俺

隣りにはなぜか一緒に登校する妹がいる

この歳で兄妹揃って登校ってのはあり得ないよなぁと思ったりしているのだが

妹は全く気にしていないらしい

むしろ、一人で行こうとすると置いて行かれたと非難される不思議

一緒に登校して恥ずかしくはないのだろうか?

自分はそういうのは気にしないからどうでもいいのだが

妹は割とそういう他人の目が気になるはずなのに

その妹が今日も変わらずに隣りに歩いている

「兄さん、今日の放課後お買い物に行きますよね?私も着いて行きましょうか?」

そんなことを考えていた折に妹がふとかけてきた言葉は本日の予定の話

言った覚えはないのだがどうも把握されてたらしい

そろそろ冷蔵庫の中身が減ってきたので補充しようかと思っていたところだ

そこにドンピシャのタイミングというのが 我ながらそんなにわかりやすいのだろうかと首を捻りたくなる

それとも妹がそこまで把握してるのがすごいのだろうか

同じく妹がいる友人に言わせれば相手の予定を把握しているなんてあり得ないこと、らしい

それはそれとして、ここだけ聞けば親切な妹という風におもわれるだろうが実はそうでもない
なぜなら、同時にこれは妹の買い物に俺も付き合わねばらなくなるからだ

友達と行けばいいのにと言った時は 気を使い合って大変だから との返答

確かに金銭感覚がそこまで違っていなくても出せる上限が違う者同士での買い物は微妙な所があるのだろうし

時には一般的な感覚でいうところのお値段が張るような買い物も必要になることがある

割と(余所様では)気を使う方である妹には難しいだろうから気楽な兄を市中引き回しにした方がいいということだ



例のごとく言葉のチョイスがアレなのは分かる人には分かっていただけるはず



そんなわけでこの提案に ついつい考えてしまう

しまうのだが・・・最終的にはいつも考える時間が意味あることになった試しがない

「・・・わかった、頼むな。」

ということでそうそうに白旗をあげてしまう

断った場合、親が出かけてしまい大変な時には家事を率先して手伝う健気な妹の好意を無碍にする兄という烙印を押されることになる

そんなわけで今日もまた買い物に付き合わされることとなった

「それと兄さん、もっと早くに起こしてくれていいんですからね?」

俺が降参したのを見てとって、さらなる追撃にくる妹

これはどういうことかというと

いつもは朝食前に俺が起こし一緒に出ていく前に洗濯やら朝食の用意といった家事をするのだが

昨晩は父さんがいないことへの欲求不満を楽器で解消していたらしい母さんを妹がずっと相手していたので

結果的に母さんの世話を丸投げしていた形になったことから せめて今朝くらいゆっくりしていてくれという思いからだったのだが

それはそれで不満らしい 明日からいつもの時間に起こせとの催促がきたわけだ

「朝くらいゆっくりしたいだろ?」

「兄さんがそうしたいなら考えます。」

どうだろうか この妹の

何もせずにボンヤリするとか、手持無沙汰な状況とかが苦手な兄に対して痛恨の一言

一切の反論を封じる的確すぎる返しにまたもや言えることがなくなる


そんなわけで比較的静かな登校時間が続く

妹はもともと口数が少ないほう

俺は口数を少なくされているほう

だから、周囲の話声のみが救い

もしないと、静寂が痛そうな気がするのです



「それじゃ、放課後迎えに行きますね?」

さて、本日の難題 三つめが来ました

妹が教室に迎えに来るクラスメートを想像してください

それってロクでもないキャラになるんじゃないですかね?

だったらどこか外で待ち合わせする方がマシな気もする

ただし、待ち合わせすればそれはそれで妹様がまるでデートの待ち合わせのように

さもそう錯覚させるような雰囲気をその明晰な頭脳をもって作り上げるという荒業をかますためそれもかなりキツイ

次の日の朝 友達と会ったときに何故か気まずげな視線にさらされる危険があるからだ

その時にどう言い訳すればよかったのか、俺はいまだに答えをみつけられてさえいないのに・・・



と現実逃避し始めた脳みそを必死で現世に繋ぎ止め

打開策を練るが 結局は三択

来てもらうか 行くか 外で待ち合わせるか

そして三番目だけはもう遠慮したいので

一番目か二番目になるのだが

それならまだ二番目の方がクラスメイトに見られないだけマシじゃないのかという結論になる

だが、それはそれで妹のクラスメイトからの好奇の視線をやたら感じる上に

それを何よりも妹が嫌うというか やたらとそういう時に親密そうに振る舞うというか

マーキングされているかのようなことになるので

巡り巡ってまた友人から色々と聴かれることになるのを考慮すれば

選択肢はいつだって一つしかないのである


故に もう 諦めて 同意のうなずきをして 受け入れる


こういう時にさ たまにはもうちょっと主導権を握らせてくれてもいいと兄さん思うんだけど どうですかね?



~~~~~~~~~~~~~~
元は前のと一緒になっておりまして、朝食の風景に混ぜていたのですが
長くなるのと、話が混ざりすぎたので敢えて分割したものです
原題は、妹に勝てる兄はなし、というものでして
内容としてはまさにタイトルの通り、妹に頭の上がらない兄を書いた一本です


春希がかずさに勝てないように、兄は妹に勝てないのです ということですかね(笑)
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マイルドなかずさ?

更新お疲れ様です。
この兄妹の関係性はふだんの春希とかずさの縮図の様ですね。
ただ娘は春希の教育がある分、母の様な実力行使をせず父譲りの理論で兄に要求を通し、尚且つ周りには兄を立てる妹さんという振る舞いをしている感じでなかなかの策士かもしれませんね。
次回作も楽しみにしています。

No title

今回も楽しく読ませて頂きました。
登校中の話を読みたいとのリクエストに対応して頂きありがとうございました。
この妹さん、春希の知恵+かずさの天然さを完全に兼ね備えていて、無敵ですね(笑)
兄は兄で、天然さが無いためか完全に手のひらの上で踊っている様が面白いです。
次回も楽しみにしています。
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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