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北原家の日常~両親から見た子供たち編~

「なあ、春希はどう思う?」

GWも終わったことでピアニストとしての繁忙期も過ぎ、ようやく夫婦でゆっくりできる夜がきたことで
2人、ベッドの上で仕事で疲れた体と心を癒すように
抱き合いながら 余韻に浸っている
ある意味いつもの夜

そんな時にかずさがふともらした言葉

「主語を入れてくれたのは助かるが、目的語もいれてくれ。さすがにそれじゃ言葉足らずで分からん。」

春希の返答は簡潔かつ、明確
いくら春希でもどう思うかだけじゃ何のことか分からない

「あいつらのことだ。」

「ああ、子供たちのことか。でも、どうってどういうことだ?」

かずさも簡潔に返したが、春希はそれで充分何をさしてたかは分かる
ただ、意図が分からないのは変わらずもう一度聞き返す
そんな2人の会話は独特のテンポを維持している

「んー、あたしも具体的にどうっていうのがききたい訳でもない。特に問題があるような生活もしてないから、言うこともないんだが、たまには春希の考えもききたいなって。」

一般的な家庭からすれば到底考えられないセリフだが
そこは元は冬馬家のかずささん
家族関係に不器用な家の出身だけあり苦手分野
知識も経験も乏しいから下手に親として干渉する真似は控えているのだが、結果として接する時間が短くなっているために、こうして折々に子供たちのことを春希にきく

「GW中は俺も忙しかったから詳しくは分からんがいつも通りだろ。家事は手伝ってくれるから助かったぞ。」

その春希もGWまではかずさのための業務で忙しく、子供たちと接する時間はあまりなかった
印象に残ってるのは家事を手伝ってくれて助かったというぐらい

「・・・今となってはできないのはあたしだけだからな、どうせ。」

そんな春希の答えにかずさはそっちがちょっと引っかかる

「子供たちは2人とも家事は万能だからな。忙しさの違いから量は違うが。」

「そこなんだよ。妹もあたしと違って意外と家事万能なのが驚きだ。」

そう、驚きなのである

「むしろかずさもやればできるってことだと思うがな。お前も妹も俺らと違って天才肌だし。」

春希とかずさの共通見解として、わりと息子は父親に、娘は母親に似ているというのがある
だからかずさとしては自分に似た娘が家事を苦もなくやってのけるのを見ていると、違和感というかいたたまれなさがある
しかし、春希にしてみれば意外とやればなんでもすんなりとできるというのはかずさに資質が似ている娘なのだから違和感がない
かずさだって理由と状況があればすぐにやれるようになるとは思ってる
単にその必要がないだけで

「やればできる、ねぇ。息子の音楽みたいなものか?」

「あ、そうそれ、そんな感じ。本人は無自覚だけど、やればできるあたりなんかまさに。」

もう一つの共通見解が実は息子の音楽の才能
本人はないと思ってるらしいが実は結構あると他の家族は考えている
単に身近にいる比較対象が飛び抜けすぎているだけなのだ

「やればできる、か。そうは言われても今さら過ぎるけどな、あたしとしては。」

「だろうから俺もやれとは言わないさ。正直、一般的な家事の常識を一から教えるのも面倒くさいし、現状3人もできる人間がいるから、これ以上必要もないしな。それに兄妹仲良く家事をやってる時間を削るするようなことはしたくない、妹から恨まれる。」

そう、妹にとって家事の時間こそ兄妹仲良く一緒に何かをできる時間
それを妨げられるのはとても嫌うし、数少ない兄妹喧嘩の数少ない理由のうちの一つであるくらい

「お兄ちゃん子だからな、あの子は。」

そんな妹を言い表すのにこれほど適切な言葉はないと考える両親

「他に甘える相手がいなかったから、そうなるのも仕方ないと言えば仕方ないだろ。」

「それもそうなんだけど。でも、ま、お互いうまい具合に性格も違って支え合ってるんだし、欠点を補い合ってるんだからいいじゃないか。お陰で妹の学校生活も順調ときたもんだ、となるとやっぱり言うことがないか。」

「その点はかずさの功績でもあるだろ。まさか妹に普通科を勧めるとは思わなかったし、しかもそれが結果的には当たりだったんだから。」

春希は思いもしなかったが、かずさに言わせればむしろその方がよほどいいと思っていた
なにせ

「いやだって、普通科ならお兄ちゃんがいる。そして何より音楽科行くには才能が有りすぎるし、そのくせ周囲にはライバルになりそうなのはいない、しかも教師もいないときたもんだ。だったら普通科に行った方がプラスになるだろ。音楽科いってあたしのようになって欲しくないからな。」

ということだから。
かずさは自身の経験からも導き出された結論が普通科の方がよっぽど良い、だ

「さすがにかずさのようにはならないと思うが、その環境では本人の為にならないのは同感。それに個人的な体験から音楽科の生徒に良いイメージがないのもあるしなぁ。」

第二音楽室の主を探したかつてを思い出しながらのセリフ

「実際にプライドばかり高いやつが多いぞ。でなければ音楽科をわざわざ選ばないだろうから。そんなだから避けた方が余計な気を使わずにすむ。それに勉強もできないわけじゃなかったから、普通科でも問題ないと思ってな。」

「そこはそうだな。とはいえ、俺でも兄の上をいく成績になるとは思わなかったし、結果的には大正解だったな、それ。」

「まったくだ。春希も無駄に母校へ行かなきゃならないような事態にならなかったわけだし。」

「いや、さっきも言ったがお前と違ってそこまでのことにはならないからな。どっちにしろ、お兄ちゃんのサポートがあるんだから。」

「確かにそれはあるか。・・・むしろそういう意味じゃ、上は春希を見本にするような人生でいいのやらと思わんでもない。欲がないというか、目立つのは平気な癖に、人のサポートが得意とかそういう所は似なくていいと思うんだがなぁ。」

母親としては今の気になる点はそこにある
十代からそんなに小さくまとまらなくてもと思わないでもない
もう少し自分のことを優先してもいいはずだ

「そりゃ才能がある人間はそう思うのかもしれないが、身近に自分より遥かに才能がある人間がいればそうもなるさ。我が家にいる人間も来る人間もそんな人たちばっかりだし。」

「環境がよくないのはまさかの上の方だったか。」

「かもな。本人はそんなことカケラも思ってないだろうが。」

「それこそお前によく似てる。春希だってなろうと思えばもっとこうでっかい会社のお偉いさんにだってなれただろうに。」

「会社は小さいがその分好きなようにやらしてもらってるからそれでいいさ。それに元々偉くなりたい訳でもないし。親子揃ってお節介なだけだ。その甲斐がかずさや妹のように才能を存分に発揮してくれているなら、それ以上に嬉しいこともやりがいもないって思うくらいには、な。」

「根っからの裏方思考だよ、お前も息子も。」

「そこら辺は親子だからな、しょうがない。似なくてもいい所まで似るのが親子ってやつなんだろうさ。」

「そうかもしれんな、春希に言わせればその最たる例があたしと母さんの味覚だろうし。」

「・・・本当にそこの負の連鎖を断ち切れて心底ホッとしているのは事実だけども。」

「だろうな、まったく。そのせいであたしには薄味な食卓になりがちな上に、兄妹旦那と口をそろえてあたしの味付けを制限かけてくるのには閉口するよ。」

「それだけみんな家族が大切なんだよ、だろ?」

「そう、だな。そんな所はやっぱり家族だから似てるな、母さんもあたしもお前も子供たちも・・・。」

そんなことを口にしながら そろそろ限界を感じてそっと家族の腕の中で目を閉じるかずさ

「さすがにもう眠いんじゃないか?」

「ああ、さすがにな。色々とエネルギーを使い果たしてるし。」

「なら最後に言っておくことは、家族みんなで何事もなく過ごせているんだ、大丈夫だよってことで。」

「そうか、それなら今夜も安心して、寝るとするか。・・・またの機会に、あいつらのことも聞かせてくれよ?」

「もちろんだ、お前は母親なんだから。」

「ああ、んじゃおやすみ・・・。」


そういいながらあっさりと眠りにつくかずさをそっとなでながら
春希も目を閉じる

そんな どこにでもありそうな 家族の一幕が 北原家にもあるのだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~
難産も難産な今回のお話でしたが、なんとかリクエストにお答えしました~・・・

何よりも難しいのがこの二人は油断するとすぐに主題が春希たち本人の話になってしまい子供たちそっちのけになってしまうことなんです。そのため何度も修正かけて修正かけて、途中まで書いたのは没にして新規に書き直して、さらに修正をかけてかけて~・・・の末ようやくというのがこれです。

ですのでこれで許してください~

というわけで、両親からみた子供たちのSSでした
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非公開コメント

ありがとうございます。

更新お疲れ様です。
こちらのリクエストにお応えいただきありがとうございます。
後書きの文章を読むと相当難産であったようですし申し訳ありません。
内容の方は北原夫妻の子供達に対する愛情が伝わってくる話ですね。春希もかずさもかつて自分達が味わった嫌な想いは子供達にはさせない様に色々配慮して来た事が分かりますね。今後も子供達絡みのssは楽しみにしています。
次回の更新も楽しみにしています。

家族

この家族シリーズ良いですよね!
特に今回は春希とかずさが出て来て2人を語るという形式で楽しかったです
自分達の短所(?)を自覚しつつも子供たちにそんなところが継承されていくのを悪しからず思っている2人・・・
プロフィール

海雪 海辺月

Author:海雪 海辺月
現在、White Album2 SS、特に冬馬かずさ SSを執筆がメインです。
目次はカテゴリーの未分類においてあります。
Eメール:umiyuki_4s@yahoo.co.jp
@を半角にしてください
メアド載っけてないことに今さら気づきました・・・

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